いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

大見忠弘

2004年09月09日 06時47分38秒 | 日本事情
【大見忠弘】 OhmilabWebSite

ひろひとさんが死んだ時、「後世日本人は昭和天皇崩御のころを懐かしむだろう。古きよき時代と。あたかもアメリカ人がケネディが死んだころを懐かしむように」とある人は言った。その後の湾岸戦争。石原慎太郎は米国は日本の反動体、あっもとい、半導体なしでは戦争ができないんだ。日本こそ対米貢献顕著であると大見得を切った。それが絶頂期だった。

奢れる者も久しからず。

現在日本の半導体産業。見る影もない。インテルをはじめとする米国ばかりか、サムソン・韓国に対してもぼろ負けである。日本半導体産業全体の設備投資総額はサムソン一社のそれより小さいのである。

そのインテルに技術指導をしたのが、大見忠弘・東北大学教授である。

インテルに技術提供して現在のインテルのブレイクがあると聞いてはいたが、大見自身が語ったのは『実学の研究術』での1章だけであった。がこのほど大見忠弘、『復活日本の半導体産業』AmazonYahoo!ブックス、財界研究所、1575円という俗書を自身で初めて出した。内容は大見の半導体技術、没落した日本の組織批判、エリート論、自分の生い立ち、研究者履歴、そして今後の日本半導体産業、ひいては製造業の展開の展望である。日本の半導体産業も 立ち直ってきたらしいので、ひと段落ということで自伝を書いたのかもしれない。

大見が西澤潤一の助手・助教授だったことは知っていたが、いろいろあったようだ。座敷牢に入れられたとか壊述している。なにより、当時半導体合成の再現性が全然なかったとの記述は貴重であり勇気ある記録である。でもびっくりした。大見は鬼のような人であるようだ。そうじゃないとこういう業績は達成できないとは思うが。世界の研究・開発者は毎日土日なしで朝7時から夜11時までしのぎを削っているのだ、という認識で自らもがんばり、まわりを叱咤激励している。

おいらも、多くの人がはお気楽に生きることができて、毎日土日なしで朝7時から夜11時までしのぎを削ることができる「エリート」さんががんばって日本を支えてほしいと思う。現在日本の最大の問題は「エリート」がばかだってことだと思う。「エリート」の席に座ったんだったらちゃんとやってほしい。


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