セクシャリテの誕生
-- 私はその時の来るのを待っていた。すると、案の定、(蛙の)雄はその烈(はげ)しい鳴き方をひたと鳴きやめたと思う間に、するすると石を下りて水を渡りはじめた。このときその可憐(かれん)な風情(ふぜい)ほど私を感動させたものはなかった。彼が水の上を雌に求め寄ってゆく、それは人間の子供が母親を見つけて甘え泣きに泣きながら駆(か)け寄って行くときと少しも変ったことはない。「ギョ・ギョ・ギョ・ギョ」と鳴きながら泳いで行くのである。こんな一心にも可憐な求愛があるものだろうか。それには私はすっかりあてられてしまったのである。
もちろん彼は幸福に雌の足下へ到(いた)り着いた。それから彼らは交尾した。 --
梶井基次郎、『交尾』
おいらも梶井と同じ誤解をしていた。カエルさんは交尾をしないそうなのだ。やはり、魚類と同じく、メスが産んだ卵に精子をカエル、あっ・もとい、かけるのである。魚類より進化した両生類は、まだまだ発展途上で、「膣」外射精段階なのである。 残念!
じゃー、上記の画像はなんであるかというと、これは抱接(ほうせつ)という行動とのこと。
カエルなどの両生類は、ここでいう交尾 (つんぽをずっぽし挿入し、あまつさえズコバコ抜き差しして、生中出しすること;いか@註) は行わない。しかし、オスがメスを抱きかかえ、メスが体外に排出した直後の卵に精子をかけるという、抱接(ほうせつ)とよばれる、体内受精に比較的近い体外受精を行う種もいる。
ウィキペディア(Wikipedia) 交尾
■鮭の産卵などの映像はよく見る。彼らは肌を重ねるわけではない。高校生の時、格調高いおいらたちは、「魚類のオスは気持ちいいんだろうか?/そもそも生きていて楽しいのか?」とかしゃべりあっていた。あの、断末魔のような鮭オスの射精光景をみて、日夜センズリに励んでいた小僧どもがずぶんのセンズリ射精について、いつまでこんなことやってるんだろう?という不安が背景にあったにつがいない。
脊椎動物の中で、両生類のかえるさんのメスは、脊椎動物の進化上初めて、オスに肌を許したということになる。 せくしゃりて の誕生!
両生類に先立って、無脊椎動物の昆虫は、交尾をしていたのだから、脊椎動物は交尾初心者どもということだ。交尾は陸上生活者に特徴的な行動ということらしい。クジラなどは元陸上生物。
ということで、今日も格調高いブログ記事でありました。