草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

共産党使って占領政策をやろうとした総司令部が鳩山一郎を追放!

2015年04月09日 | 歴史

戦後はバラ色であったかのようにいわれてきたが、それはあまりにも一方的な見方でしかない。『秘録戦後政治の實像』はサブタイトルが「自民党首脳の証言で綴る風雪の30年」で、昭和51年6月1日に自民党広報委員会出版局から出ている。とくに、そこで興味深かったのは「戦後保守党の誕生と占領時代」の第一章である。アメリカによる占領政策がどうのようなものであったを教えてくれるからだ。座談会形式になっており、自民党の政治家保利茂、坪川信三、増田甲子七らとともに、TBSの「時事放談」で有名であった細川隆元も出席し、終戦直後に朝日新聞の編集長をしていた頃の思い出話をした。自由主義者として知られていた鳩山一郎の論文を掲載したらば、総司令部によって発売禁止をくったというのだ。祖父の鳩山一郎は孫の鳩山由紀夫とは違って、政治家として骨があり、共産党に批判的であった。それにソ連が噛みついたので、総司令部も「あれは反共主義者だ。共産党の悪口をいう奴は最も非民主的な人物だ。だから発禁にする」とクレームを付けたのだ。しかも、密告したのは共産党で、戦前に鳩山が欧州各国を旅行した際に書いた『世界の顔』を問題視した。共産党が問題になりそうなところを抜き出し、それを英訳して御注進したのだから、手が込んでいる。総司令部も日本を解体するためには、手段を選ばなかった。共産党と組むことも厭わなかったのである。冷戦になってからは、レッドパージまでして排除したのに、それ以前はとんでもないことになっていたのだ。鳩山が政界から追放になり、急きょ担ぎ出されたのが吉田茂であった。占領政策の負の面についても、私たちは検証を怠ってならない。日米両国が同盟の絆を強固にする意味でも、過ちは繰り返すべきではないからである。

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