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草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

デマゴーグに踊らされない冷静な判断とヴィトゲンシュタイン!

2015年04月18日 | 思想家

饒舌に語るべきではないのである。コメンテーターがテレビで、まことしやかに喋るのは考えなしであるからだ。一つの意見を言うにも、ためらいがなければならない。通り一遍の対応ですまそうとするのは、マスコミが低俗であるからだ。結論を急ぎ過ぎるのも問題である。勧善懲悪で裁くのも、あまりにも単純である。NHKやテレビ朝日などの報道が批判の対象になるのは、その点を考慮していないからだろう。ヴィトゲンシュタインは『哲学的断章』(丘沢静也)で、表現することや書くということにおいて、謙虚さが大事であるのを説いていた。「わたしは、自分が表現したいことを、表現するとき、いつも、せいぜい『半分うまくゆくか、ゆかないか』である。いや、じっさいはそんなに多くもない。ことによると、十分の一ほどではないだろうか。にもかかわらず、なにがしかのことを言おうとしてはいるのだ。わたしの場合、書くと言うことは、しばしば『どもる』ということにすぎない」。いつも文章を書き飛ばしていながらも、偉大な思想家の言葉を絶えず意識しなくては、どんな物書きでも過ちを犯してしまうのである。さらに、ヴィトゲンシュタインの「わたしの目のまえにあるものを見るというのは、わたしにはなんとむずかしいことだろう」の戒めは、深く心に響くものがある。夢物語のドグマや思い込みで物事を判断してはならないのである。マスコミのセンセーショナリズムは、ようやく化けの皮がはがれてきた。言論は自由であるべきであり、それを容認するのが民主主義社会である。しかし、同時にそれはデマゴーグを生みだす風土ともなる。用心するに越したことはないのである。自分自身を欺かないためにも。

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