草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

占領軍が「大東亜戦争」という言葉を使えなくした

2024年07月30日 | 歴史
 私たちの不幸は自らの歴史を奪われ、未だにそれを取り戻せずにいることです。江藤淳が明確に述べているように、我が国では先の戦争は「大東亜戦争」と呼ばれていたにもかかわらず、今私たちが「太平洋戦争」と言っているのは、アメリカを中心にした占領軍の指令にもとづくものでした。
 昭和20年12月8日、つまり敗戦の年の12月8日以降に名称が変わったのです。占領軍はその日に、全国の主要新聞に「太平洋戦争史」を自分たちのプロパガンダとして掲載しました。日米開戦の日にぶつけて、自分たちの価値観を押し付けてきたのでした。当時の主要新聞社は紙の特配を受けていましたから、逆らうことはできませんでした。
 また、12月9日からは東京中央放送局が「真相はこうだ」という宣伝番組が開始されました。いうまでもなく、占領軍の指導のもとに行われたのです。決定的であったのは、占領軍は12月15日、「神道指令」なるものを出して「大東亜戦争」という言葉を公式文書において使用することを禁止しました。
 このことを多くの日本のマスコミは報道しませんが、今は亡き江藤が世に問うたことの意義は、高く評価されなくてはなりません。我が国が「大東亜戦争」に突入したのは、欧米列強からアジアを解放する目的があったことは事実です。その時代はアジアの多くの国々が欧米の植民地となつており、独立を達成したのは戦後になってからです。
 日本とアメリカとの戦争に矮小化し、日本を悪者にする東京裁判史観から抜け出すためにも、私たちは言葉から改めなくてはなりません。それができないでいるのは、私たちが不甲斐なかったからにほかなりません。

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