草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

岸田首相に怒りの矛先が向いているのは日本人のプライドを傷つけたからだ

2023年07月06日 | 思想家
 岸田内閣を岩盤保守がこき下ろすのは、日本人としてのプライドが傷つけられたからである。バイデンやエマニュエル大使の言うことに対して、唯々諾々と従う姿に怒りを覚えたのである。
 このことが日本の政治に与える影響は計り知れないものがある。E・エリック・ホッファーは、人間にとってプライドがどれだけ重要であるかを問題にした。
 ホッファーは「人民にプライドを与えれば、かれらは、パンと水だけで生き、かれらの搾取者をたたえ、かれらのために生命さえも投げ出すだろう」(『情熱的な精神状態』永井陽之助訳)と書いている。
 戦後の日本の政治は、米国との同盟関係を軸にして行われてきた。敗戦という精神的なダメージを押し隠すように、民主化という言葉によって、それを正当化してきたのである。
 それでも経済復興を成し遂げ、欧米に匹敵する国家として、それなりの国際的な役割を担いつつあった。しかし、今回の米国の傲慢な態度と、その走狗と化した岸田内閣の体たらくによって、日本人のナショナリズムに火が付いてしまったのである。
 岸田首相はまだ、その恐ろしさを知らないようだが、ホッファーは「プライドは、もともと自分の一部でないものから、引き出される価値の感覚である。空想された自己、指導者、聖なる大義、集合体や所有物に、自らを同一化するとき、われわれはプライドを感じる。だから、プライドには、恐怖と不寛容がある。それは感じやすく、非妥協的である」(『同』)とも指摘している。
 人間はプライドなしには生きられないのであり、岸田首相に対して、岩盤保守が怒り心頭に発するのは、予想されたことなのである。
 ことここにいたっても、岸田首相はなぜ批判されているか分からないはずだ。これからはダッチロール状態になるだけである。一刻も早く政権の座をおりるべきだろう。このままでは自民党そのものが消滅しかねないからである。

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