共産党は天皇の即位の礼には参加しないことを決めた。国民主権の原則から反するというのが言い分であるが、現憲法で天皇を「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」と位置付けていることを否定しているのだ。護憲政党などという言葉を使うべきではないのである▼尾高朝雄は天皇の象徴としての役割に関して『国民主権と天皇』において論じている。「第一には、日本国の全体性の象徴であり、第二には日本国民一体性の象徴である。日本は、約千六百年の歴史をもつ。その歴史の有為転変は、日本の姿をいくたびか激しく変貌させた。中でも、敗戦による変貌は、まさに未曽有の深刻さを以て行われた。しかも、国民は、そこに変らぬ父祖の国を見、愛する祖国ありと観じている。その単一の日本、全体としての日本、目に見えぬ理念的存在としての日本が、天皇という目に見える形を通じて象徴されているのである」▼尾高が想定している国民というのは、一党一派を代表する国民ではなく、「『常に正しい政治の理念』を追求する一体としての国民」なのであり、「その一体性を象徴する」のが天皇だというのだ。「無私」に徹して国民共通の先祖に対して日々祈りを捧げておられる天皇について、万世一系として引き継がれると記しているのが現憲法の第二条なのである▼共産党は護憲政党ではなく、憲法九条を利用しているに過ぎず、私たちは騙されてはならないのである。
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それでも学問的には“真実”を求め、それを公論化しようという動きは以前からあった。日本による統治時代が朝鮮(韓国)の近代化の時期にあたっていたため、日本の統治が彼の地に近代化をもたらしたことは事実だったからだ。結果的に『日本はいいこともした』を認めようという主張であり、これは『植民地近代化論』といわれてきた。
学界的には少数派ながら、この『植民地近代化論』者の代表格としてこれまで、研究を通じ『虚偽の反日公式史観』と長らく戦ってきたのが今回、『文芸春秋』 11月号 でインタビューした李栄薫・元ソウル大教授(68)だ。この夏、自らの編著で出版された『反日種族主義』(ソウル・未来社刊)はすでに10万部を超えるベストセラーになっており、韓国社会に衝撃を与えている(編集部注:本書の邦訳版『 反日種族主義 日韓危機の根源 』は、11月14日に文藝春秋から刊行予定)。(中略)
李教授にインタビューした9月下旬、ソウルの名門・延世大学では保守派の論客で社会学者(!)の柳錫春教授が大学の講義の際、『慰安婦は売春婦のようなもの』と語ったとして問題になっていた。受講の学生が外部に“通報”し、それにメディアが飛びつき非難殺到となった。大学は担当講義を中断させ処分を検討中とか。一流大学でも《反日種族主義》から自由でないということである。」(2019/10/11 文春オンライン)
1970年代以降の、日本の朝鮮史研究は、「『加害者としての自覚に立って』『みずからの存在を自己否定的に問い直す』人々の手でひたすら“深化”を続けた。厚化粧をかさねた歴史は、素顔とは似ても似つかぬ仮面のようなものになっていった。」(『韓国「反日主義」の起源』)
虚偽の朝鮮(韓国)史に育てられ、捏造された歴史で頭を満たした日本の「親韓派」リベラルは、李栄薫・元ソウル大教授や柳錫春・延世大学教授の学問研究の自由が奪われ、社会的に抹殺されたとき、どうするだろうか。
韓国は「対日的な場では“言論の自由”がない」国である。日本の「親韓派」リベラルは、それに目を閉ざし、韓国に“同伴”し続けるのだろうか。