中曽根康弘元首相が去る29日に亡くなったが、政治家としての評価となると功罪相半ばするのではないだろうか。国鉄を民営化したことで、親方日の丸で赤字を垂れ流していた体質を抜本から改革した功績は大きい。「日本は浮沈空母である」と述べることで、日米の同盟関係を強化したことも賞賛に値する。しかし、その一方で中共との関係では、改憲論者であるわりには弱腰であった▼首相による靖国参拝が難しくなったのは、中曽根元首相のせいである。参拝を断念すれば中国共産党内の改革派であった胡耀邦党総書記の失脚を阻止できると思った、と弁解しているが、まんまと中共の術中にはまったのであり、それが前例となって首相の参拝が難しくなったのである。口では憲法改正を主張し、「戦後政治の総決算」を掲げたくせに、昭和61年にとんでもない失態を演じてしまったのである▼権力者が権力者であり続けるためには、プラグマティストに徹するしかなかったとの弁護論もあるが、田中派への配慮があったことは否定できないだろう。親中派の派閥が支持してくれなければ、長期政権は困難であったからだ。その負の遺産をどのようにして解消するかは、今の保守政治家の課題である。中曽根元首相の志を継いで「戦後レジームからの脱却」をスローガンにした安倍首相も、ここにきて勢いがなくなった。憲法改正はかけ声倒れに終わりそうである。外国の媚びるのではなく、日本派の政治家が現れなければ、日本は壊れていくしかないのである。
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党大会では『香港の自由』について討論が行われていた。記者はその会場で発言者を批判し、退場を求めた党員を平手打ちにした。
在英中国大使館は『報道と言論の自由にもとる』と判決に反発している。」(2019/11/30 読売新聞オンライン)
どあつかましい!
「近年の中国では、反スパイ法(2014年)、新国家安全法(2015年)、反テロ法(2016年)、外国NGO管理法(2017年)と相次いで監視のための法律が施行されており(引用者注:密告も奨励されている)、警察が強力な権限を持つようになった。警官がインターネットに接続した『顔認識メガネ』を使って、視界に入った人々の顔を秒単位でスキャンし、データベースに登録されている容疑者を照会し瞬時に特定することが可能になるといった監視や統制の技術の開発や利用も進んでいる。
(中略)公安の情報化を目指す『金盾』もこの一環で、『金盾』には主に3つの機能があると推測される。1つは外から来るものをブロックし、西側の情報は入らないようにすること。これは『サイバー万里の長城(Great Fire Wall)』と呼ばれている。2つ目はメールの検閲。3つ目は世論操作だ。これは、政府にとって都合の悪い情報をネット上から消すだけではなく、都合の良い情報をネット上に拡散することも行われているようだ。警察署で行われる『インターネットの正しい使い方講習会』で、政府を褒めるとお金が貰えるという中国国内の一般報道もあった。
国際NGO団体の『Freedom House』では、中国はインターネットの自由度が非常に低い国だと報告している」(伊東 寛)。
スウェーデンでも。
「中国共産党政権を批判する『禁書』を扱っていた香港の書店関係者、桂民海氏に国際ペンクラブのスウェーデン支部が賞の授与を決め、スウェーデンのリンド文化・民主主義相が15日、式典に出席した。
駐スウェーデン中国大使は、大使館公式サイトに『必ず報復する』と警告を掲載した。
スウェーデン国籍を持つ桂氏は今も中国のどこかで拘束中とみられる。受賞が決まった『クルト・トゥホルスキー賞』は、迫害を受けた作家や編集者に贈られる。
中国はスウェーデン通信(TT)に対し、式典出席者は中国では歓迎されなくなると警告していた。これに対し、テレビ出演したロベーン首相は『この類の脅しには絶対に屈しない。スウェーデンには自由があり、これがそうだ』と強く反発。リンド文化相も『ペンクラブが誰に賞を授与しようと自由だ。桂氏を今すぐ解放すべきだ』と要求した。」(2019/11/16・ストックホルムAFP)