元民主党の幹部であった細野豪志元環境大臣の勇気ある発言は傾聴に値する。いかなる政権が我が国を担当していたとしても、東京電力福島第一原発の処理水の放出を認めることになっただろう。政争の具にして今の菅内閣を批判したいというのは、あまりにも感情的である。細野元環境相が昨日の夜にアップしたユーチューブは真に迫ったものがあった▼日本はこれまでトリチウムが入った水については、1リットルあたり6万ベクレルという基準で海洋に放出をしてきた。この数字は0歳から70歳まで毎日飲み続けて、それで2年間に1ミリシーベルトにとどまる。同じ基準をもっているのがアメリカや韓国である。量で基準を持っているのがフランスなどで、1京8千5百兆ベクレルである。各国がどのくらい出しているかについても言及しているが、一番高いのはイギリスやフランスで、最終的にはフランスのラ・アーグということになる。1京3千7百兆ベクレルにも達する▼細野元環境相は福島の処理水は全て合計して860兆ベクレルだということを述べるとともに、ラ・アーグではそれを1年間で出しているのに、今ある福島の処理水を全て出し尽くしたとしても、その一か月分に過ぎないことを指摘。それよりも低いレベルの処理水を認めることに舵を切ることを主張したのだ。六ケ所村の日本原燃が2007年に1300兆ベクレルであったことも強調していた。その数字だけで安心しろというのは抵抗があるにしても、すぐにでも決定しなくてはならない問題であり、避けて通れないことは確かである。細野元環境相の勇気ある発言に敬意を評したい。
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