今我が国では言論戦とも呼べない言論戦が展開されている。マスコミや特定の野党などは感情論に終始しており、相手にする必要もない。トリチウムの処理水を海洋に放出することは世界中が行っていることであり、ことさら福島第一原発を問題にするのが異常なのである。どれだけ危険なものであるかをエビデンスで示すことなく、ただ風評被害を煽っているだけである▼細野豪志元環境相が主張しているように、タンク保管による大きなリスクについても目を向けるべきだ。タンクそのものが放射性廃棄物になる。台風や竜巻で水が流出する危険性がある。タンクの水漏れのチェックが危険な作業であり、これまでも転落死した作業員がいる。タンク増設で原子炉格納容器にある燃料デブリの置き場所がなくなる▼それらのことをどう考えるか、とくに反対の急先鋒に立っている枝野幸男立憲民主党代表は、細野元環境相の見方を否定するのであるならば、それなりの根拠を示すべきなのである。国民受けがするというだけで、政局に利用したいというのは、日本の政治を危うくするだけである。危機の時代にあっては、限られた選択肢のなかから苦渋の選択をしなければならない。現状を放置しておくことは断じて許されないのである▼新型コロナにしても、連日のように野党やマスコミが騒ぎ立てているのは、国民の不安感を煽り、それによって我が国が混乱することを望んでいるからだ。それを喜んで眺めている国家があることを、私たちは忘れてはならないのである。
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