ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.5.10 老後について考える

2011-05-10 19:31:14 | 日記
 先日久しぶりに大学時代の友人と会った時のこと。

 皆、子育ても終盤に差し掛かり、これまでのように子供に手がかからなくなった分、自分の時間を楽しめるようになったこともあってか、節目である50歳を目前にして「私がもう50歳なんて!?」という思いがあるように感じた。

 私もこのままいけば、あと1カ月ちょっとで50歳の誕生日を迎えられそうだ。
 かつて健康だった頃には、友人たちと同じように「50歳なんて・・・・」と思っていたけれど、足掛け7年にわたる闘病をなんとかやり過ごし、こうして無事50歳を迎えられそうになってきたことは、やはり沢山の人に感謝しなければならない、と思う。

 一方、人生85年を超える今、健康な50歳はまだまだうんと若い。やりたいことはまだまだ出来るし、これから何か新しいことだって十分始められるのだ、ということを友人たちの話を聞きながら、顔を見ながら思った。
 持病等を抱えていなければ、自分の死を考えたりはしない年頃であるのは、至極当然だ。
 それよりも考えるのは子供の就職、結婚や孫のこと、そしてまだ何十年も先の老後のことだろう。

 そして分かってはいたはずなのに、自分では覚悟を決めたはずなのに、こうして話に加わりつつ、ふと我が身を振り返れば、自分の老後をリアルに想像できない・・・という、何とも言えぬ淋しさと口惜しさがある。後悔しないように毎日を一生懸命過ごせばいい、などと分かったような口をきいている割には、人生に未練たらたらな情けない私である。

 さて、先日90歳を迎えた義母は本当に健康で元気印。文字通り手八丁口八丁である。耳は遠くなったけれど、「どこも悪いところがない」と医師から太鼓判を押されているほどだから、白寿のお祝いも夢どころか現実にあるだろう、と周りの誰もが思っている。
 私が義母の白寿のお祝い会に参加することが出来るのかどうかは神のみぞ知るであるけれど、哀しいかな、義母の9年後をリアルに想像できるのに、40歳も若いはずの自分の9年後は実感をもって大丈夫、と言えない。

 そして、義母の卒寿の祝いに出席した私は、長男である夫とともに、これからも義妹夫婦に義母のお世話をお願いすることが間違いなくだんだん厳しくなっている、という事実を痛感してくることになった。

 この夏、間違いなく計画停電が実施されるだろうから、義母は暑さの厳しい義妹宅を離れて、北海道の義母の妹宅に例年通り3カ月ほどお世話になるとばかり思っていた。そうすれば義妹夫婦もその間リフレッシュできるのだから、安心・・・と。
 だが、3.11により義母の妹の気持ちも状況も変わったようで、「私も80を過ぎたし、こうしたご時世だし、何かあっても責任がとれないので今年はちょっと・・・・」とお断りの連絡があったという。

 義妹はつれあいの手前、かなり気持ちが切迫しているようで、「1週間でいいから何とかして!家に呼ぶのが無理なら、どこか旅行にでも連れて行ってやって。」と夫に懇願したようだ。
 確かに義妹の夫は長男であり、近くにはその姉や妹が複数住んでいる。
 既に義妹はつれあいの両親を見送っているけれど、都内に長男がいるにもかかわらず実の母の面倒を自分のところでずっと見ているというのは、つれあいや義姉妹の手前、かなり辛いというのはよくわかる。
 当初は、嫁である私との同居より娘との同居の方がお互いに暮らしやすいはず、と始めた生活だったのだが・・・。

 夫は義妹には「わかった・・・ちょっと考えさせて。」と言っていたけれど、今後の私の体調を考えると、今の住まいで、義母を引き取るという選択肢は、残念ながら現実的ではない。
 「私が死んだら、お引き取りして(義母と夫と息子と)3人で暮らすのが一番いいよね。」と思っているのだけれど、そう持ちかけてみても、さすがに夫は「うん、そうだね、それがいいね!」と嬉しそうには言わない。(言われたらちょっと傷つくだろうけれど・・・)
 夫も、母と妹と妻の間に挟まって、やるせないだろうなあと思う。

 ダメ嫁としては、この夏休み、休薬週と息子のホームステイや講習にぶつからないようにうまく調整して数日こちらに来て頂き、プラスどこかに1泊くらいお連れすることを何とかしなくてはいけないよな・・・と、ぼんやり考えている。
 そして義母には、それまでどうか義妹やそのつれあいと、仲良く穏やかに暮らしていてほしい、と思う。

 義妹夫婦の顔を見ながら、長生きすることが幸せ!とは素直に言えないことに、とても複雑で切ない気持ちである。

コメント (2)
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