標題の映画を観た。発端は子ども同士のけんか。
それにしても男の子同士だと、本当にいろいろあるな・・・と思う。別に悪気があってということではなくても、じゃれついて体の接触がもとで怪我、ということも往々にしてある。だから、まあ、お互い様、ということで、あまり目くじらを立てると身が持たない、というのも本音なのだけれど。
それでも、さすがに歯が折れたとか、骨折した・・・とか、受診を余儀なくされたりトラブルになったりすると、謝罪だなんだ、という話にもなる。
我が息子は決して類稀なる乱暴者というわけではなかったけれど、それでも、女の私の辞書にはないことを、実にいろいろやってくれた。そして、もちろんやられたことも。菓子折りを持って平謝りに謝ったことも、当然ある。今は男子校に通っているから、男の子同士のトラブルにはお母様たちもある程度免疫がついているけれど、こと小学校では、とりわけ相手が女の子だと本当に大変だった。・・・今も胃が縮むほど苦い思い出がある。
要は、どの親も、うちの子に限って・・・だし、我が子が可愛いから、被害者になれば加害者をうんと責めたくなるし、逆に加害者になっても相手の非を言いたくなるなど、自分に甘く、相手に厳しくなる。だから、余計話はややこしくなるわけだ。
さて、本編。原作は一幕劇で原題の直訳は「殺戮の神」だという。昨年の春には、大竹しのぶさんや段田安則さんたちが「大人はかく戦えり」のタイトルで演じて話題になった作品だ。
大人なのだから、と極めて穏やかに話が始まりながら、些細な一言をきっかけに、どんどんエスカレートしていく様が怖いほどリアルで圧巻だった。白熱のバトルも本人たちは必死だから、笑っては失礼なのだけれど、インテリかつリベラルな主婦を演じたジョディ・フォスター、仕事人間のやり手弁護士役のクリストフ・ヴァルツ(「イングロリアス・バスターズ」での残忍なナチス将校役で数々の助演男優賞を総なめにしたほどはまり役だったのは記憶に新しい。)ら芸達者の4人に思わず苦笑い。
そして、弁護士の手元でひっきりなしに鳴る携帯電話が小道具として効いていた。いかにも今風のイライラの素である。その妻、美貌の投資ブローカーのワーキングマザー、ケイト・ウインスレットの嘔吐には、あまりの迫力にたじろぐ・・・。
2組の夫婦は、加害者保護者対被害者保護者。それがいつしか夫対妻、男対女・・・に変わっていく。
79分、オープニングとエンディングの、遠景からの子どもたちの姿以外、ひたすら舞台は被害者宅。4人は玄関の外に一歩と出ない(エレベーターに乗りかけてまた戻ってくるのが唯一。)。あっという間。無関係に笑って見ていられるのは幸せな証拠。とても他人事ではないかも・・・と、ちょっと背筋が冷たくなる人も多いのでは、と思える1本だった。
いやいや、大人は心穏やかに、喧嘩など、しなくて済むなら決してしない方がいいものである。
今日は昨年12月に倒れて以来入院している義母の91歳の誕生日である。
義妹が先日の電話で、夫に「今年が最後の誕生日になるかもしれないから、ケーキ(義母は甘いものが大好きで、毎年この日は自分でケーキを買ってきていた。)を買わないと・・・。」と言っていた、と聞いた。
昨年は元気に卆寿のお祝い会をした。その時、自ら開会の挨拶をしたほど。あの時、一体誰が今年の誕生日を病院で迎えると思っただろう。
桜が満開の中、なんとも切ないことである。
さて、休薬明けで、明日は通院日。今回も前回のように何とか副作用が軽く済んでくれることを祈りたい。
それにしても男の子同士だと、本当にいろいろあるな・・・と思う。別に悪気があってということではなくても、じゃれついて体の接触がもとで怪我、ということも往々にしてある。だから、まあ、お互い様、ということで、あまり目くじらを立てると身が持たない、というのも本音なのだけれど。
それでも、さすがに歯が折れたとか、骨折した・・・とか、受診を余儀なくされたりトラブルになったりすると、謝罪だなんだ、という話にもなる。
我が息子は決して類稀なる乱暴者というわけではなかったけれど、それでも、女の私の辞書にはないことを、実にいろいろやってくれた。そして、もちろんやられたことも。菓子折りを持って平謝りに謝ったことも、当然ある。今は男子校に通っているから、男の子同士のトラブルにはお母様たちもある程度免疫がついているけれど、こと小学校では、とりわけ相手が女の子だと本当に大変だった。・・・今も胃が縮むほど苦い思い出がある。
要は、どの親も、うちの子に限って・・・だし、我が子が可愛いから、被害者になれば加害者をうんと責めたくなるし、逆に加害者になっても相手の非を言いたくなるなど、自分に甘く、相手に厳しくなる。だから、余計話はややこしくなるわけだ。
さて、本編。原作は一幕劇で原題の直訳は「殺戮の神」だという。昨年の春には、大竹しのぶさんや段田安則さんたちが「大人はかく戦えり」のタイトルで演じて話題になった作品だ。
大人なのだから、と極めて穏やかに話が始まりながら、些細な一言をきっかけに、どんどんエスカレートしていく様が怖いほどリアルで圧巻だった。白熱のバトルも本人たちは必死だから、笑っては失礼なのだけれど、インテリかつリベラルな主婦を演じたジョディ・フォスター、仕事人間のやり手弁護士役のクリストフ・ヴァルツ(「イングロリアス・バスターズ」での残忍なナチス将校役で数々の助演男優賞を総なめにしたほどはまり役だったのは記憶に新しい。)ら芸達者の4人に思わず苦笑い。
そして、弁護士の手元でひっきりなしに鳴る携帯電話が小道具として効いていた。いかにも今風のイライラの素である。その妻、美貌の投資ブローカーのワーキングマザー、ケイト・ウインスレットの嘔吐には、あまりの迫力にたじろぐ・・・。
2組の夫婦は、加害者保護者対被害者保護者。それがいつしか夫対妻、男対女・・・に変わっていく。
79分、オープニングとエンディングの、遠景からの子どもたちの姿以外、ひたすら舞台は被害者宅。4人は玄関の外に一歩と出ない(エレベーターに乗りかけてまた戻ってくるのが唯一。)。あっという間。無関係に笑って見ていられるのは幸せな証拠。とても他人事ではないかも・・・と、ちょっと背筋が冷たくなる人も多いのでは、と思える1本だった。
いやいや、大人は心穏やかに、喧嘩など、しなくて済むなら決してしない方がいいものである。
今日は昨年12月に倒れて以来入院している義母の91歳の誕生日である。
義妹が先日の電話で、夫に「今年が最後の誕生日になるかもしれないから、ケーキ(義母は甘いものが大好きで、毎年この日は自分でケーキを買ってきていた。)を買わないと・・・。」と言っていた、と聞いた。
昨年は元気に卆寿のお祝い会をした。その時、自ら開会の挨拶をしたほど。あの時、一体誰が今年の誕生日を病院で迎えると思っただろう。
桜が満開の中、なんとも切ないことである。
さて、休薬明けで、明日は通院日。今回も前回のように何とか副作用が軽く済んでくれることを祈りたい。