ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.4.27 病気は私の人生の一部!

2012-04-27 20:16:47 | 日記
 読売新聞の夕刊で連載されていた高野利実先生の「がんの診察室」の連載が昨日で終了した。毎週興味深く愛読していた。
 昨日の最終回を転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

がんの診察室(2012年4月26日 読売新聞夕刊)

病気は人生の一部

 この連載も今回で最終回です。様々な患者さんの言葉を紹介しましたが、がんや抗がん剤との向き合い方は、一人ひとり違います。最初から抗がん剤を拒否する人もいれば、効かなくてもすがりつく人もいます。
 抗がん剤は、うまく使って効果が得られれば「がんとうまく長くつきあう」のに役立ちますが、効果がなかったり、副作用がきつかったりすることもあります。 
 マスコミでは、「抗がん剤は効かない」とか、「がんと闘い抜け」という極端な意見が取り上げられがちですが、現場では、そんなにすっきり決められるものではなく、私も患者さんと一緒に悩みながら診療しています。そういう悩みをあるがままに書いてきました。
 この連載で伝えたかったことが三つあります。
 まず、抗がん剤には、いいこともあれば限界もあるということ。いい薬はたくさん出てきましたが、現実よりも期待が上回り、「もっといい治療があるはず」ど、満たされない気持ちでいる患者さんも多いようです。限界を知れば、適度なバランス感党で治療に取り組めるように思います。
 二つ目は、どう生きたいかを考えてほしいということ。病気は人生の一部にすぎず、治療は病気の一部にすぎません。治療がすべてと思い詰めず、人生の目標に向かって、自分のペース目標に向かって、自分のペースで進むことが大切です。
 三つ目は、自分らしく生きるためにできることはたくさんあるということ。病状が進んでも、治療に限界があっても、人生の希望がなくなることはありません。医療はそれを支えるためにあり続けます。これからも一緒に歩んでいきましょう。
 (虎の門病院臨床腫瘍科部長、高野利実)
 
(転載終了)※  ※  ※

 この暖かいトーン、この寄り添い感、バランス感覚に富んだ示唆・・・どれほど励まされている読者がいることか。
 連載が終わってしまうのはとても残念だが、先生が伝えたかったとおっしゃる3点はしっかり胸に刻んだ。この気持ちをもって、これからも病気と向き合っていこうと思う。

 そう、病気は私の人生の全部ではない。あくまで一部である。病気であろうとなかろうと、自分は自分。病気であっても、自分の人生は自分次第で如何様にも彩っていける。だから決して希望は捨てない。けれど、QOLを大切にする上で、抗がん剤だけに依存しすぎるのは、やはりやめたい。

 これまで生きてきた半世紀、その都度その都度、自分自身でいろいろな選択をしてきた。
 もちろん、病気のことだけではない。仕事も、結婚も、子育ても。今、振り返って自信を持って言えること・・・「私の選択が誰から見ても正しかったかどうかはわからない。けれど、いつも、その時々で自分で出来うる最善を尽くしてきた」ということだ。

 だから、決して後悔しない。後ろを振り向かない。迷って悩んで落ち込んで・・・、けれど最後に他でもない自分が決めたことだ。
 一つの選択肢を採ることは、別の選択肢を捨てることだけれど、その時に自分にとってのベストが選べたのだ、と自信をもってこれからも自分の人生を歩んで行けたら、きっと最期に躊躇うことなく「いい人生だった。ありがとう。」と言えるのだ、と思っている。

 今日の勤務で4月も終了。外はあいにくの雨模様だけれど、とにかく4月を乗り切ることが出来た。明日からの休暇はお楽しみも控えている。
 今日も今日とて夫は宴会。息子と2人の静かな週末である。
コメント (6)
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