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茶筒

2019-08-29 14:06:14 | Weblog

福岡に仮住まいを持ったことは以前お話ししましたが、仮住まいと言っても日常の生活道具は一揃い必要です。それでお台所道具や食器等々・・・・・色々と最小限揃えました。お茶は和みさんから手に入れる『三恵』・・・・・これはものすごく安いのに、本当に美味しいお茶です。お客様にも一番茶であれば、十分です。・・・・・で、お茶を入れる茶筒ですが、なかなか気に入ったものが無くてとりあえず柄行がまあまあな安物で済ませることにしました。ですが、これが保存にあまり適していないのか、夏だからか、特に二、三日留守をすると冷房が切れるせいか、お茶の葉が焼けるんです。茶筒のせいだろうと思いました。

 

                           

これは40年近く愛用している青銅缶です。中蓋のつまみが壊れてしまいましたが、それでも存在感を漂わせて『私のお道具』の一員です。お茶が美味しくなくなるというようなことは一度もありませんでした。ですが、これと同じものを新調する気になれなかったのです。この半分壊れてもなお役目を果たしているこのお茶缶は私の人生そのもののように思えるからです。私と一緒に人生を終える、そんなお道具の一つです。

 

それでお茶焼けには困りながらもうすぐ夏も終わるだろう・・・・・と気温が下がるのを待っていましたが、デパートでぶらぶらする機会がありました。そして、新しく仲間に加わることになったお茶筒と遭遇しました。

                         

久留米の籃胎漆器のお茶筒です。職人さんの実演に遭遇しました。蓋の上部の写真が実物に近い色目です。籃胎漆器は材料が竹ひご(子供の頃はどこの町でも見かけた竹ひご屋さん!10メートルもあろうかという竹ひごが道路に沿ってくねくねとうねりながら職人さんの手で削られている風景は日常そのものでした)です。竹ひごを組み合わせて漆をかけ擦り出して陰影を出します。黒白のタイプを選びました。なんとなく戦国武将の面影を想像させる色合いです。早速仮住まいで使っていますが、中の金属製の缶がずっしりしているせいか、お茶が焼けることはなくなりました。何気ない日常のお道具ですが、見るたび扱うたび心嬉しいのが良いと思います。嬉しい買い物をしました。桜の樺細工のお茶筒はよく見ますが、籃胎漆器のお茶筒もとても良いと思います。

 

 


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