inspiration-macrobiotique・随想古事記

マクロビオティックインスピレーション・随想古事記・日本語と歴史・バベルの塔・日々雑感

海幸山幸

2006-07-31 16:32:51 | 日本語・古事記・歴史・日本人
子供の頃誰もが海幸山幸のお話を読みました.古事記は知らない人でも、海幸山幸のお話は知っていますよね.それで海幸山幸が私達の歴史と一体どんな関係にあるのかちょっとだけお話したいと思います.

海幸山幸は、天照大神のひ孫です.海幸はホデリノミコト、山幸はホヲリノミコトといいます.父君は高千穂に降りられたニニギノミコト、母君は有名な木花咲耶姫命(コノハナノサクヤヒメノミコト)です.桜の花が満開に咲いたように美しい姫という通称の姫君です.本名(?)はカムアタツヒメといいます.このお方は富士の浅間神社となっているところに在った宮居で三つ子の皇子を産まれます.それがホデリ、ホスセリ、ホヲリの三皇子です.その一番上が海幸彦、一番下が山幸彦というわけです.

ですからこの三皇子は皇統の直系です.その二皇子間の争いが海幸山幸の古事記の物語です.海幸は海で暮らしていました.山幸は山で暮らしていました.ある日山幸は海幸と話し合ってお互いの生活道具を取り替え、海幸は山へ山幸は海へ出かけます.山幸が兄海幸に話を持ちかけたのです.海幸は嫌がったのですが、山幸のたっての願いに釣り道具を貸し与え、山幸の狩猟の道具を借ります.ここからは皆さんよくご存知でしょうし、思い出されたでしょう.山幸が海幸の大事な釣り針を無くしてしまいました.どんなに謝っても許してもらえない山幸は、シオツチノカミに助けられて海の神の許に行き釣り針を見つけ出します.そして海の神の娘トヨタマヒメと結婚して海の神から潮満ちる玉と潮干る玉をもらって帰ります.山幸は海の神の力添えで裕福になり、それをねたんだ海幸が攻めるのを二つの玉で打ち破って山幸が海山の支配者になります.

いつからか海幸彦は悪者になって、私達の子供のお話になってしまいました.このお話は奥深いお話です.このお話を思うと私はいつも、父の作る和歌にでてくる『うからどち』という親しみのこもった言葉を思い出します.子供の頃から互いに遊びあった仲間という感じです.その一方で『やから』という言葉の持つ悪い響きを思います.これは一体どういうことでしょうか.山幸の『やから(やまから)』は山賊で、海幸の『うから(海から)』は懐かしいお友達です.私が思うに山幸海幸は歴史の正当性の主張、うからやからは昔の記憶だと思います.どの国にも歴史に裏表があります.これは良い悪いの問題ではありません.

山幸彦は、国を統一するのに海の神の娘、トヨタマヒメと結婚されました.父君のニニギノミコトもオオヤマツミノカミ(山の神)の娘であるコノハナノサクヤヒメと結婚されました.これが日本に後から降ってこられた天孫族といわれている征服者のとられた方法でした.オオヤマツミからニニギノミコトはイワナガ姫(永遠の命)を一緒におくられました.そして山幸は海の神から、海幸を征服するための言葉と玉をもらいました.多分これが日本語がそのまま使われた理由だと思います.日本語は響きの言葉、力の言葉でした.祈りも呪いも何でもかなう力を持った言葉でした.山幸もニニギノミコトも舅の神から言霊をもらわれたのです.天孫族は同化することによって、やからうからを統一されて日本を作られたのです.

トヨタマヒメはウガヤフキアワセズノミコトを産まれます.そしてわが日本の神武天皇につながってくるのです.こうして日本は天照大神の仰せのとおり、稲穂の恵み溢れる国になったのです.神話の言わんとしている事を汲み取って私達は日本人として生きていきたいものです.日本の玄米ご飯の始まり(?)でもあるので、マクロビオティックの始まりでもありましょうか.
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パームヒーリングと導引

2006-07-28 10:41:05 | Weblog
久司先生の二冊の本の翻訳がほぼ終わりました.パームヒーリングのほうは来月中には出版されると思います.二冊ともエネルギーとしての人間、波動としての人間の解説と健康維持法です.先生がちょうどホモ・スピリートスとしてのマクロビオティック哲学の展開を日本で開始しようとされていることを思えば、時宜に適ったことかなと喜んでいます.

マクロビオティックが、食べるためだけのマクロビオティックにならないように、嗜好のためだけのマクロビオティックにならないように、レシピのためだけのマクロビオティックにならないように、一人でも多くの方々に読んで頂きたいと思います.

何しろ古い本です.技術的な事は分かりませんが、写真の取り込みにはかなり時間がかかったようです.でも20年余も前に、欧米の人たちは先生のこうした具体的な啓蒙活動に触れてマクロビオティックを勉強していたのです.日本人は少し迂闊だったのではないかとさえ思います.日本人は精神性を遠ざけて戦後を過ごしてきたのではないでしょうか.ちょうどよいバランスの取れた人間観を確立すべきかと思います.そういう意味で私の翻訳でもお役に立てるのではないかと、非常に嬉しく思っています.

オーガニックベースの通信講座の教材が届きました.第一期生の皆様,よろしくお願いします.これから後輩になってくださる皆様,よろしくお願いします.私達はお仲間です.ともにマクロビオティックの道を歩んで行きたいと思います.
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夫の帰宅

2006-07-19 09:16:04 | Weblog
月曜日夜遅く主人は帰宅しました.帰途の長旅、これが私達を出不精にさせる原因です.いつも久司先生の精力的な旅行(?)人生に驚嘆していました.いつもの指定席に戻り気分が落ち着いてくると、やっとお土産話が出てきました.楽しかったこと、面白かったこと、勉強になったこと、可愛い孫と会えて嬉しかったこと、それからそれから・・・・・.

主人が今回のように遠出をするなど以前は考えられませんでした.勤務医時代でさえ、一泊二日の旅行がせいぜいでした.それも直前でキャンセルになる可能性が高いので、子供達にはいつもその日の朝まで発表できませんでした.子供達は子供達で、寝耳に水の旅行計画、子供同士の約束をキャンセルして出かけなければなりません.楽しい旅行はいつも親子の感情の行き違いから始まりました.親は親で子供のために計画をし、子供は子供でお友達に顔が立たず・・・・・あ~あと双方思うこともしばしばでした.そんな主人が遠征(?)をして帰って来ました.これは画期的なことです.私達もこれまでと違った人生が開けるかもしれません.Open the door! でしょうか?

土砂降りです.記事を書いていたら、近くに雷が大音響を上げました.それで中断してしまいましたが、今年も本当におかしなお天気です.雨量も半端ではありません.四季の巡りの美しい日本を私たちは壊してしまったのでしょうか.晴れた日にはうぐいすとヒグラシが同居しています.ホーホケキョ と カナカナカナ です.どうなっているのでしょう.真夏なのに夜中には足に綿毛布をかけないと足が冷えたなあと感じます.都会は自分達の廃棄熱で熱いのかもしれませんが、生命を守ってきた地球の成層圏は確実に壊れてきたように感じます.地球環境こそが私達の命の基本的条件だとしみじみ感じます.私達は原始の人間のように地球の環境にもっと「畏み畏み」暮らすべきではないでしょうか.日本人の心の原点、「ありがたくもったいない」心に帰りたいと思います.生命は美しい地球の一部です.ガガーリンが初めて見たように地球が青かったからこそ、私達は此処に居るのですから.

ここでやっとマクロビオティックの出番となりました.この世でマクロビオティックは人間の地球のありように手段を解答できる数少ない哲学の一つです.畏み畏み、有り難く勿体無く暮らすとはどういうことか.それはわがままに食べないということです.自分の消化器官が正常に適切に機能できるように食べるということです.おいしそうという感覚と自分の消化器官の感覚を何処まで一つにできるか.それが人間のマクロビオティックの修行です.わがままに食べるから、消化器官という地球を破壊し、人体を破壊し、精神を破壊し、地球環境を破壊するのです.わがままこそが、人間を地球から隔絶させ、宇宙からも隔絶させるものです.自分のわがままを捨てる道がマクロビオティックの道であり、その道をともに歩む道連れさんがマクロビオティックのお友達であり、先輩であり、生徒さんたちです.これからもよろしくお願いします.
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お留守番

2006-07-15 09:28:19 | Weblog
今日は通常のケースとは反対に主人が小淵沢に出かけて、私が留守番をしています.昨日から小淵沢では久司先生のサマーカンファレンスが開かれています.今年は主人がお手伝いに出かけました.これまでは考えられなかったことです.診療所を空けて遠出する事は殆んど不可能でした.今年は幸いにも月曜日がお休みになったので、金曜日の診療を半日に短縮して行く事が出来ました.何しろ往復にそれぞれ一日潰れるのですから.小淵沢で皆様とお目にかかれるかもしれません.私は日曜日が母の忌明け法要のため、留守番となった次第です.小淵沢は平戸とは対照的な土地です.夏の小淵沢は最高でしょうから、主人も良い思い出と共に戻って来ると思います.土産話を楽しみにしていましょう.

急に真っ青な夏空になりました.梅雨でふやけていた体も地球も(日本だけ?)暑さに驚いてしまいました.日差しはじりじり焼け付くようです.こんなに夏とはいえ暑かったでしょうか?私たちが小学生で夏休みだった頃の絵日記の記憶では、夏休み中に気温が32度を越える日っていうのは一日か二日だったような気がします.地球温暖化でしょうねえ.文明が地球破壊をしているのであれば、人間はもっともっと身を慎んで元に戻す努力をしなければいけないのではないでしょうか.それが出来ないと言うのであれば、万物の霊長などという自惚れは捨てて増えすぎた種の宿命どおりライオンの餌の位置に甘んじるべきかもしれません.いえいえもう熱帯のウイルスの宿主というべきか培養基というべきか・・・・・



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マクロビオティック教室は夏休み

2006-07-11 11:46:27 | 教室情報
一学期(?)が終りました.8月はお休みです.個人的な行事があるのと、子育て時代の慌ただしい思い出と孫が来るのではという期待とが混じり合わさって昨年もお休みにしました.今年は母の初盆もありますし・・・・・.でもお休みを知らなくて「残念!」と声をあげてくださった生徒さんに本当に感謝しています.やりがいが有るというものです.楽しみにしてくださって有難う!!

お休みの間に少し講座の内容と構成を見直そうと思います.忠告をもらいました.テンコ盛りのし過ぎ、大安売りのし過ぎだって!「1講座で1テーマの全体像を」というのがモットーでした.講義は初級も中級も上級もありません.それを決めるのは聞いている生徒さんの方だと考えています.経験からいうと聞いたってそれなりにしか分からないものなのです.上級の者(求め方が)は、一を聞いて十を知るのです.講師の言わんとする以上の事だって聞いてしまうのです.

月にたった一度の教室だからこそ、あれもこれもおまけもという親心ならぬ先輩心でしたが、かなり時間運びが難しい.調理実習も半分の1時間半で組み立てていましたが、どう考えても2時間は必要です.可能な範囲で下準備をしても限度というものがあります.私の調理実習は、痩せの私によく似た骨と皮のような組み立てです.肉付けは生徒さんに任せてあります.ですから簡単なのですが、実習よりお話のほうが得意(?)の私は、ついついあれもこれものお話になってしまうのでしょうかね.

地球上の私達人間のマクロビオティックを端的に表している言葉は身土不二だと思います.それを色々な立場からあれこれ説明をし、その出自由来行く末を考えるのが毎回のお話です.食と食べ物の話はつきません.食こそが変化の原理です.お休みは自分が取り込んだものを反芻するよい機会です.私の言葉を自分の言葉で表現し直してください.二学期を楽しみにしています.
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合歓の花

2006-07-05 22:30:28 | Weblog
かわいい孫と数日間を過ごして佐世保から平戸までの帰宅途中ボーっと車窓から外を眺めていました.すると日々慣れ親しんでいる景色がいつもと違っていました.合歓の花が雨に濡れて色を増しそれは美しい風情を見せていたのです.合歓の花は特に川辺にありましたので、曇り空と山の緑を映した川面にしっとりと濡れた木々の緑と合歓の花のピンクが、一層引き立ってはっとするほど美しく見慣れた合歓の花を別の花のように感じました.今まであまりピンと来なかった芭蕉の俳句を心の底から実感しました.

        象潟や 雨に西施が ねむの花


白とサーモンピンクの合歓の花、雨に色を増した合歓の花は確かに美人の風情でした.芭蕉の気持ちを納得しました.西施ってどんな人だったのだろうとこの俳句を知った時から、やや不納得な思いを残していました.芭蕉の目に合歓の花はどんな風に映ったのだろう?? 合歓の花と美人が結びつかなかったのです.確かに合歓の花は優しい花です.でも・・・・・という思いでした.雨に濡れた合歓の花は確かに美人でした.濡れていなければならなかったのです.雨に西施が 合歓の花でした!!

アジサイが梅雨の代表だと思っていました.昔からの水色から薄紫に変わっていくアジサイが雨にぬれているのが好きでした.でもこれからはもう一つ、雨に濡れた合歓の花という楽しみが増えました.本当に美しいのです.8日の教室の日、雨の予報です.佐世保から平戸方面に来られる方にお知らせします.佐々から江迎の高岩に出てくる山の中をいく道路に合歓の花がたくさん咲いています.それはきれいです.運転してくださる方が別におられる方は、合歓の花に美人を想像する楽しみが味わえます.そうでない方は、運転第一にお出かけください!

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