夫が庭で餌付けしている猫の名前は『クロ』になりました。以前子供たちが拾ってきた子猫と同じ白黒のブチですが、初めて我家の猫になったその白黒は鼻にも黒い模様があったので『ハナグロ』になりました。その猫が夫にとっては猫洗礼・・・・・姑が猫嫌いだったので、初めての体験だったようです。それからというもの、猫が嫌いな姑はかわいい孫のために猫を引き受ける羽目に・・・・・父親の許可が下りない2匹目以後の拾ってきた猫は、否応なくおばあちゃんが引き受けることになりました。夫も猫の魅力にだんだんと目覚めたのか、最後のシマネコちゃんは夫が拾ってきました。
『クロ』は段々と慣れてきて、今や家を乗っ取る寸前・・・・・私はどうしようか、思案中です。バッタなども上手に捕まえて食べているようで、そんな『クロ』を見ていて夫が言いました。『もうすぐ、鳥を捕まえるね!』・・・・・それで思い出しました。私の高校時代飼っていた猫は、若乃花全盛時代だったので『ワカ』という名前でしたが、鳥を捕まえる名人(?)でした。居間の前庭には梅の老木があったのですが、その木の横に伸びている幹で待ち構えていて、スズメやメジロ・・・・・なんでも捕まえてきました。いつも蒲鉾と交換していたものです。『ワカ』は雌ねこで、体が小さく、子猫もいつも1匹・・・・・祖母がいつも産み月になると、柳行李に古シーツを敷いてタンス部屋の奥においてやると、そこで子猫を産みました。1週間くらい授乳を頑張ってみるものの、お乳が出ない『ワカ』はいつも子猫をくわえて出てきました。そして祖母の前に子猫をぽいと置いて、育児放棄の毛づくろい・・・・・というわけでもないのですが、ともかく給食係を確保しました。最後の子猫は栄養失調の足も立たない、ジャガイモに割りばしを突き立てたような子猫でした。目がくりくりしていたので、名前は『クリ』。『ワカ』と『クリ』は私の高校時代の同居メンバーです。
猫は芸を覚える気もなく、いつも気まま・・・・・ですが、それでも頭が悪いわけではありません。その気さえあれば、面白い猫ちゃんになります。そもそも私の実家に猫がいたわけは、祖父が猫好きだったから・・・・・私が生まれて遊び相手に・・・・・なると言って、どこからかもらってきたそうです。それから、代々『ミイ』という名前でした。たまに『タマ』というのもいましたが、それは第2番目の名前。祖父のお気に入りの『ミイ』は、跳躍の名人・・・・・普通の家では障子の一番下の枠が猫の通り道ですが、我家の障子は一番上の枠がひらひらと障子紙が揺れる猫の通り道・・・・・ほぼ一間上の通り道をジャンプして通過していました。祖父が子猫の時から、はたきをヒラヒラさせて跳躍の稽古・・・・・体操が好きな祖父の楽しみだったのだろうと思います。何しろ祖父は、安満岳の絶壁(平戸では有名です)で逆立ちをして平戸中を驚かせたこともあるくらいです。『ミイ』が可愛かったに違いありません。