3か月ぶりに女性歌手を取り上げます。前作「もくれん」で歌謡曲路線の新境地を開拓した南かなこさん、またまたいい新曲が出ましたね。
「しのび駒」なんてタイトルだけ見れば、マイナー調のしっとり演歌かと思いきや、リズミカルな歌謡ポップスという感じで聴き惚れてしまいました。本人のコメントでも70年代から80年代のサウンドとあるように何となくなつかしい響きでもあります。
作詞作曲のレーモンド松屋は、四国在住のシンガーソングライターだそうです。歌詞の世界は妖艶な日本調で、格子戸、蛇の目の傘、三味線といった道具立てなのが曲調とミスマッチで面白い。
タイトルの「しのび駒」とは三味線の駒の一種で、弦の振動が胴皮に伝わらず弱音になるとのこと。それで静かに熱く燃える恋心を表わしているわけです。歌のおかげでまた一つ知識が豊富になりました。
メロディーよし、歌詞よし、そして南かなこさんの歌唱はノリがよくて申し分なし。是非多くの人に聴いてもらって歌ってもらいたい素敵な曲です。