「阿修羅海峡」とはまたインパクトの強いタイトルだなと思いました。昨年来、ちょっとしたブームとなった感のある、奈良・興福寺の国宝、阿修羅像にちなんだ曲で、3番の歌詞にズバリ阿修羅像が出てきます。
阿修羅像の人気の要因は、あの独特の表情にあると思うのですが、この曲でも微笑むようだがほんとうは泣いていると表現しています。この曲のモチーフは阿修羅の持つ優しさと悲しさということなんでしょうね。
2番の歌詞にあるように、この世の恋なら、この世でしかかなえられない、まさにそのとおりです。そこに人生の悲哀があると思うのですが、そういった感情を阿修羅は優しく受け止め、そして悲しんでくれているようだ、そういった想いを松原のぶえさんは情感をこめて歌い上げています。
これはベテランの彼女が歌うにふさわしい、深い味わいのある演歌だと思いますね。