山本あきさんの7月24日に発売された新曲『春ふたつ』は、彼女のこれまでの曲とは雰囲気が異なり、ガチガチの幸せ演歌です。
これまでの彼女はどちらかといえば歌謡曲系の曲が多く、前曲の『金沢わすれ雨』は演歌っぽい感じで、やや方向転換かと思うところもあったものの、こういう幸せ演歌で来るとはちょっと意外でもありました。
ただ、聴いてみると彼女の持つ優しさ、柔らかく包み込むような温かさが、すごく幸せ演歌には適していると感じます。彼女は力で押すような歌い方ではなく、ソフトに共感を呼び覚ますような歌唱ですから、この曲が持つ雰囲気にぴったり合っているのです。
「生きるに下手な 私でさえも」「私はいいの 濡れてもいいの」といった謙虚さ、つつましさを表現する歌詞がありますが、彼女は感情表現を自然に歌っていていい感じです。
彼女の歌手としての幅がこの曲でまた一段と広がったように思います。