5月3日にリリースされた、みやさと奏さんの新曲は「室蘭恋はぐれ」です。北海道の地名の中でも室蘭をテーマにしたご当地ソングは記憶にありません。同じ北海道でも函館や札幌、小樽などに比べるとずいぶん違いますね。やはり室蘭というと製鉄所など工業地帯というイメージが強いからでしょうか。それだけに今度の新曲には新鮮さを感じます。
この曲の特徴は、歌詞がすべて七文字の対句で構成されていることです。出だしの「なみだかくした このてのひらも」からラストの「あいがさすらう ここはむろらん」まで一つの例外もなく、七七調になっています。そのため、曲調にはなんとなく安定感があります。
曲調とあいまって、彼女は今回も安定した歌唱力を発揮しています。前作では都会における寂寥感が秀逸でしたが、今回は北国の旅情と哀愁を感情をこめて歌い上げています。
彼女には若手演歌の実力派として、その存在感をますます際立たせてほしいと思います。