川野夏美さんに注目したいと思います。年が変わってまた新しい境地を見せてくれています。
1月11日発売の新曲は『紅い螢』とタイトルからして何か女の情念がイメージされます。
曲調はメジャー演歌で、ゆったりと流れるようなメロディーですが、内容はなかなか激しい心情に満ちていて、女性主人公の一途な想いが伝わって来ます。
歌詞はすべて七五調で統一されていて大変収まりがいいのですが、その中でうまく工夫されていると感じました。
まず冒頭で「あなたがつけた首筋の紅い螢が目を覚ます」とインパクト十分の歌詞で、この曲の世界に引き込みます。この「紅い螢」は燃える恋心を象徴したものと思われます。
また1番から3番まで「飛んで行きたい…飛んで行けない」「奪い取りたい…奪いきれない」「追って行きたい…追って行けない」と対比的になっているのが揺れ動く心情をうまく表現しています。
川野夏美さんは前曲『空席』のような歌謡曲も、今回のような演歌も実にうまく歌う歌手だと改めて感じました。
演歌ファンを中心に広くおすすめできる素晴らしい曲で、カラオケでも人気曲になるのは間違いないでしょう。