五条哲也さんの『桜並木の向こうに』は、昨年の8月23日発売ですから、もう1年も前の曲なのですが、ぜひ紹介しておきたい曲なので、遅ればせながら今回取り上げることにしました。
この曲は五条哲也さんの10周年記念シングルで、彼の曲では初めて杉本眞人氏が作曲しており、これまで彼が歌ってきた曲とは一味違います。
内容が愛する人との死別という重いテーマを扱っていて、その悲しみを乗り越えて力強く生きていこうというメッセージを込めたバラードソングです。
哲也節といえる独特の哀愁ただよう歌声がこの曲によく合っていて、思いがストレートに伝わってきます。「ひゅうひゅう」「ゆらゆら」という擬態語が、重いテーマの曲だけにその気分を少しやわらげるような感じでうまく用いられていると思います。
10周年とはいえ、彼としてはこれまで不本意な歌手生活だったかもしれませんが、実力はあるので、これからも一歩ずつ着実にステップアップしてもらいたいものです。その意味でこの曲は記念碑的な曲として、長い間にわたり歌い続けていってほしいと思います。