4時50分起床。5時前に家を出て、京浜東北線と京急線を乗り継いで、羽田空港へ。朝家を出た瞬間、寒さに心が折れそうになったが、こんなところで弱っていては金沢の寒さに太刀打ちできないと気合いを入れる。
羽田07:50発のJAL1273便に乗り、小松空港へ。フライト時間は1時間もなく、少しうたた寝をしていたら、あっという間に着陸してしまった。ただ、雲の上から見た雪山の美しさと迫力は印象に残っている。
小松空港でレンタカーを借り、金沢へ。まずは、「金沢21世紀美術館」を見学する。私の一番のお気に入りである天井が四角に切り取られた「タレルの部屋」をはじめ、この美術館は独創的な世界観に包まれている。ちょうど開場時刻の10時ちょうどに到着することが出来たため人が少なく、のんびりとした雰囲気に包まれている。
やはり、最初は「タレルの部屋」へ。この部屋に来ると、いつも見ている空を非日常的な存在としてとらえることが出来る。これほどまでに純粋に空を眺めるという行為に集中できることは、なかなかない。
続いては、「雲を測る男」。前回来たときは、空一面が全て雲に覆われていて測れなかった。今回は、雲がひとつもなくて測れなかった。
そして、「スイミング・プール」。透明のガラスの上に10cmだけ水を張ることで、こんな風に見える。
今回は企画展がいまいちだったので、私は早めにフェイドアウトして、結局大半の時間を「タレルの部屋」で過ごした。腰掛けに体全体を埋めて、四角く切り取られた空を延々と眺める。極端な話、21世紀美術館ではここにさえ来られれば満足である。
近江町市場へ移動して、回転寿司「大倉」で昼食。金沢に来たら、何といってもまずは魚を食べないと。のどぐろに始まり、寒ブリ、白エビ、鱈白子、バイ貝、蟹内子など、北陸の海の幸をこれでもかと食べる。彼女も、私と同じくらいのハイペースで食べ続けていた。新しいネタを食べるごとに目を合わせて(美味しいねと)大きくうなづくだけで、それ以外の会話はない。彼女からは普段、「美味しいものを食べてる時が一番真剣な顔をしてるよね」と言われるが、それは彼女も同じだ。元々ぱっちりした目を更に大きく見開いてお寿司を見つめている姿を見ていると、何だか幸せな気持ちになる。
続いては、兼六園を訪れる。1時間ほど掛けて、ゆっくりと園内を一周。地面には雪がたくさん残っていて、とても風情がある。そして、その雪解け水が至る所にある小川を流れ、その音が耳に心地良い。兼六園に来るのは2回目だが、確か前回も園内を流れる水に目と耳を奪われた記憶がある。
兼六園のお土産屋通りにある「清水亭」で、兼六だんごを頂く。砂糖ときな粉を混ぜたサラサラの粉をつけて食べるお団子は、それらとお団子そのものの甘さがうまく融合して、美味しい。長く歩いて疲れた後に食べると、余計にこの甘さがありがたい。
車に乗り、内灘を目指す。鉄板道路からそのまま砂浜へ乗り付け、夕暮れの砂浜をお散歩。日本海の荒々しい波の迫力と、どこまでも続く砂浜の穏やかさが素晴らしい。やはり、同じ海でも太平洋と日本海では雰囲気が違う。太平洋は明るくて穏やか、日本海は暗くて荒々しい。よく言われることだが、本当にそんな感じがする。私としては、太平洋側、沖縄や南国の華やかな海も好きだが、悲壮感と力強さに満ちたこの日本海の海に大きな魅力を感じる。
金沢市内へ戻り、「金沢マンテンホテル駅前」にチェックイン。今日は朝が早かったので、1時間ほど休憩する。ベッドに横になって、熟睡。
元気を取り戻し、再び外へ出る。片町にある居酒屋「笑宿」で夕食。前回も来たお店である。地元の野菜をバーニャカウダ風に頂く「畑の宝石箱」や、「ブリのカマ焼き」、「のどぐろの塩焼き」、「ブリ大根(シャカ煮)」、「加賀野菜の天ぷら」を頂く。2人でこの量は少し多いかもしれないと思っていたが、どれも驚くくらい美味しくて、2人とも最後まで箸が止まることはなかった。特に、その中でも焼物2品は本当に絶品だった。ブリものどぐろも、とにかく脂がのっていて、箸を入れた瞬間に溢れだしてくる。魚の脂の甘み、旨みをこれでもかというくらい満喫させてもらった。やっぱり、北陸の海の幸は素晴らしい。
最後の締めは蟹釜飯と迷ったが、結局安定・鉄板の卵かけご飯に。
ホテルに戻り、大浴場で汗を流す。同じ汗を流すのでも、部屋で軽くシャワーで済ませるのと、広い大浴場でゆっくりと足を伸ばすのとでは、疲れの取れ方が全く違う。特に、このホテルの大浴場は広いし綺麗で、リラックスすることが出来た。
有馬記念では、このレースで引退の決まっている4番人気のジェンティルドンナ(2枠4番、戸崎圭太騎手)が見事に有終の美を飾った。私の応援していたウインバリアシオンは、12着。着順だけ見ると惨敗だが、3コーナーから進出し、4コーナーから捲って来てうまく外に出たときはワクワクさせてくれた。ウインバリアシオンと藤岡騎手が勝負に出た結果の負けだから、文句も悔いもない。むしろ、気持ちの良い競馬を見せてもらえて良かったし、今回のレースで藤岡騎手のファンになった。馬はもう来年7歳だが、どうやらまだ引退ではないようなので、今度は体調を万全に整えて、まずは春の天皇賞制覇を目指して頑張ってほしい。君が出走する限り、僕は馬券を買い続けます。