8時起床。朝から少し雨が降っている。大浴場で汗を流し、9時前にホテルを出発。
朝食は、金沢駅にある喫茶店「カフェ・アルコ スタツィオーネ」のモーニング。インターネットで評判が高かったワッフルがお目当てである。出て来たワッフルは熱々で、バターをかけると自然と溶けていく。評判通りの美味しさで、朝から幸せな気分になる。その他もレベルが高く、特にオムレツは中身が絶妙なトロトロ具合だった。こういう朝食なら、毎日食べてもいい。
コンタクトの洗浄がしたいという彼女について行ったコンタクト屋のすぐ裏が武家屋敷跡だったので、すぐにそのまま観光に移る。武家屋敷跡は昔にタイムスリップしたかのような空間だが、今もその場所に人が住み続けているということが素晴らしい。手入れも大変だろうから、お金と時間、そして心に余裕がないと出来ないことだろう。
お麩が大好きな彼女が見つけたお店「茶庵」で、麩饅頭を頂く。麩饅頭は予想とは全く違って皮に弾力があり、これまで私が持っていたお麩のイメージが覆された。これは美味しい。私が注文した饅頭には中に金柑が入っていて、その酸味も良いアクセントになっている。麩饅頭、大正解である。
西茶屋街へ移動する。雨が少し強くなってきて、あまりゆっくりと見ることは出来なかった。それに、そもそもあまりお店が開いていなかった。
歩いて、妙立寺(通称:忍者寺)を目指す。金沢というのは海と山に挟まれた町で、どちらも距離が近い。昨日行った内灘は市内から車で30分も掛からないし、少し開けたところへ出れば雪山がその存在を主張している。この山脈の存在感は、神奈川や埼玉ではなかなか感じることの出来ないものだろう。
金沢は、道を歩いているだけで楽しい街である。古い文化と遊び心がうまく合わさっているような気がする。特に私が印象に残っているのは、カラフルな石垣が多いことである。
妙立寺(忍者寺)では、ガイド付きの参拝に参加する。加賀藩の祈祷所であったこのお寺には、お殿様が頻繁に参拝に訪れていた。また、多くの武士が集まる周辺の寺院群の中で要塞としての機能を持っており、そのため多くの隠し通路・階段、罠などが仕掛けられている。ベトナムのクチトンネルを訪れた時にも感じたことだが、こういう巧妙な仕掛けだらけの施設を見ると、攻め入るほうは本当に恐ろしかっただろうなと思う。そう考えると、先鋒の兵士の精神力は素晴らしい。私には絶対に無理だ。いや、そもそも、私には戦そのものが無理か。
昼食は、金沢カレーの元祖と言われている「カレーのチャンピオン」(通称:チャンカレ)(高柳店)で、一番人気で定番の「Lカツカレー」(私はウインナートッピング)を食べる。辛さというよりもコクのあるカレーに、シャキシャキのキャベツ、大きくてサクサクのカツが乗っている。キャベツをカレーに混ぜ込んで食べるのが、案外イケる。カレーのドロドロ感にシャキシャキ感がプラスされ、重さが緩和されるのだ。また、思いの外、カツが美味しい。
金沢城へ向かう途中で雨が強くなり、「これはまいったなー」と話していると、駐車場に着く頃には弱まって晴れ間も見え始め、大きな虹が出る。写真だとあまり伝わらないかもしれないが、七色がとても鮮明に見えて、とても綺麗だった。下記の写真は私が撮ったものだが、彼女がiPhoneのパノラマ撮影モードで撮影した写真がとても上手に取れていたので、それをもらったらここに追加で載せよう。あんなに大きな虹は初めて見たし、あんなに綺麗な虹も初めて見た。
金沢城は、現在急ピッチで再現が進んでいる。北陸新幹線の開業に間に合うように工事を進めているのだろう。私なんかは「なんだ、本物じゃないんかい」と思ってしまうが、それでも大きな観光資源のひとつであることに違いはない。
金沢城の近くにある喫茶店「いしかわ門」で休憩。古くて味のある喫茶店である。彼女はブルーマウンテン、私はアーモンド・オレを注文。これまた人情味があって明るいおばさんが対応してくれる。話好きなおばさんで、別のお客さんが入ってくるまで3人でペチャクチャとお喋りをした。景色や食べ物もそうだが、こういう魅力的な人に出会うと、旅行に来て良かったなと思える。ちなみに、アーモンド・オレも美味しかった。このメニュー自体初めて見たのだが、もっといろんなお店で出せばいいのにと思う。スタバとかドトールで売ってくれたら、足繁く通うのに。でもまあ、このお店だからこそ出せる味、美味しさなんだろうな。
一旦ホテルに戻り、休憩。昨日と同じように、夕食前に1時間ほどゴロゴロする。これをやるのとやらないのとで、疲れの取れ具合が大きく変わってくる。
夕食は、金沢駅近くの「よし久」へ。一応天婦羅がメインのお店らしいが、加賀料理と地酒を売りにしている料理屋さんである。彼女が注文した地酒の飲み比べセット(天狗舞・手取川・宗玄)を舐めながら、香箱ガニ、バイ貝の唐揚げ、白海老の天婦羅、鴨の治部煮、蟹雑炊(写真を撮るのを忘れた)などを頂く。のどぐろと鱈の白子が品切れだったのが残念だったが、どの料理も美味しくて、大満足である。
帰りにコンビニに寄り、ここでしか売っていないようなものを買う。まずは、「コーヒースナック」(さわや食品/富山県)。コーヒー風味のマーガリンを挟んだ食パンである。おそらく生地にもコーヒーの味を付けているのだろうが、ライ麦の苦さが強すぎて、感じのマーガリンの味が負けてしまっていた。そのため、「おいしい!」という感じではないのだが、ふとした時につまみたくなるような味である。
続いては、同じ会社の作っている「昆布パン」(さわや食品/富山県)。細かく刻んだ塩昆布の入ったパンで、その風味と食感を強く感じる。昆布の苦手な私だけでなく、彼女もダメだったから、おそらく好みの分かれる品なのだろう。
そして最後は、「加賀棒茶」(盛田株式会社/愛知県)。ほうじ茶のことを、この地域では棒茶と呼ぶらしい。一般的なほうじ茶と比べると、さっぱりしていて飲んだ後の清涼感が強く、飲みやすいように感じた。これは、好きな味である。