じゃん!
先日の高知出張で自分のお土産に買って来ました。
酒盗です。
土佐名物、鰹の腸の塩辛ですね。
もともとは土佐名物の生利節の制作過程で出る鰹の腸を漁師や加工業者が塩辛にしていたのが始まりと言われています。
酒の肴、珍味として、酒が無かったら盗んでも呑みたくなるということから、
土佐藩第12代目藩主山内豊資が名付けた、という逸話もあります。
せっかく酒盗を買って来ましたので
酒を盗んでいきましょう♪
こんな感じで一杯。
こういう発酵食品とお酒(日本酒)は合うね♪
昔は、ごはんにちょい沿添えて食べるとごはんがいくらでも行けたものですが、
まあいいお年になりましたので、こういうものでしっぽりと。
後ろの越後桜の大吟醸は最近デイリーに飲んでるお酒。
本来土佐土産なら、酔鯨とかで迎え撃つところですが、まあ今日はこれでご勘弁を。
って、呑みながら思い出したんですけど、
美味しんぼで酒盗を使ったチャーハンが出てきたなあ・・・って思い出しまして。
前後をぶった切って要点だけ書くと
牡蠣料理対決であれこれしている山岡さんと栗田さん、牡蠣料理の助っ人に入った川地さんという料理人。
そこにいきなり現れる海原雄山!
助っ人の川地さんにいきなり「ヤキメシを作ってもらおうか」
海原雄山の迫力にビビりながらもヤキメシを作る川地さん。
そして出来上がるヤキメシ。
以降海原雄山の"非常に説明的な"セリフの引用です。
「ほほう・・・きつね色に焦げた長ネギのミジン切り。
それ以外に具は入っていない・・・」
「使った油はラード・・・しかしもう一つの香りがある。
このナンとも複雑で妙に人の心をひきつける物は・・・」
「ふっふっふ、そうか・・・
これは鰹の塩辛だ。」
ここで川地さんがようやく料理を説明
「は、はい。
熱した油で鰹の塩辛を炒めると、生臭さは消えて、独特の旨味が冴えてきます。
そこにネギの香ばしさが加わって、全体に香りがさらに複雑玄妙になります。」
そして雄山が
「ふむ・・・
先日、生ガキを不用意に出したので、私はこの店の主の腕前を低く見過ぎていたようだ。」
「士郎は良い助っ人を手に入れたな。」
(※句読点は原文のままにしています)
となるわけです。
実際の漫画から引用しようと思ったのですが、昨今いろいろ気を遣うので、セリフだけの引用とさせていただきました。
ちなみに、美味しんぼ第20巻 蒸し焼き勝負 の中に収められている話です。
この巻は、上記の話の中心となる究極vs至高の牡蠣料理対決のほか、蒸し焼き料理の対決、
きのこ、栃餅、蟹対決など、美味しんぼ中期の見どころが詰まった一冊となっております。
・・・って、そうだよ。鰹の塩辛、酒盗だよ!
んで、このお話に出てくる鰹の塩辛ってのが、酒盗に違いないわけで、作るのもそんなに難しそうじゃないし、
ちょっと作ってみましょうかねえ。
と中華鍋にラードを溶かして、ねぎを焦げるちょっと前まで加熱。
油が煮えたぎったところで、酒盗を入れて、ラードでよく炒め、油に香りを移します。
そこへすかさずご飯を入れて、ガシガシと炒めます。
ごはんにしっかり火が回ったら、完成!
鰹の塩辛(酒盗)のヤキメシ
米粒一つ一つに鰹の塩辛が溶けだした油が、纏われてますねえ。
じゃあ、いただきます。
・
・
・
ちょっと酒盗の生臭さが勝っちゃったし、塩辛いな。
あと、ラードがくどいので、ごはんがちょっと脂っぽいな。
これはこれで好きな人はいるだろうけど・・・
レシピのところで分量が不明瞭だからアレですけど、これ海原雄山を唸らせるほど美味しく出来るんですかね?
という微妙な結果に・・・
というわけで、その翌日。
オリジナルレシピを少しアレンジしてみました。
それがこちら
酒盗のチャーハン
そう、オリジナルレシピでは使われない、玉子を使ってもうチャーハンにしちゃってます。
玉子が適度に油を吸うので、脂っぽさが軽減されます。
そして塩辛い、生臭い・・・という対策についてはあの禁断の調味料・・・
とはなにか?
を説明しながらレシピを・・・
中華鍋にラードを溶かして、熱したら、例によって酒盗を加えて馴染ませます。
そこに卵液を入れて、すかさずご飯を。
中華鍋を煽って煽って、ご飯粒に酒盗の旨味が混じった油を纏わせます。
そこに胡椒と・・・
化学調味料(味の素)を少々
これが混ざったら、最後にネギを散らして煽ります。
んで完成
・
・
・
そうです・・
漫画美味しんぼにおいて忌み嫌われる禁断の調味料
化学調味料です!
見えます・・・見えます・・・。
今遠くから海原雄山と、山岡士郎が、私をぶちのめしに来ています。
この後、私は二人からダブルラリアットとか喰らうのでしょう。
というわけで、禁断の酒盗チャーハンいただきます。
・
・
・
うん、前日のところで問題になった生臭さ、これは胡椒を使うことでかなり軽減されました。
これくらいなら、ちょっとクセがあるけどこれはこれで良いな。ってなると思います。
そして、塩辛さですが、"化学の力"で塩の角が立った辛さがマイルドになってます。
これ、塩ラーメンとかで塩だれの塩味が角が出ちゃったときとかに使う方法なんですよね。
今、山岡さんから後頭部辺りを蛸殴りにされていますが、まあ作っちゃったものはしょうがない。
前日のものの方が美味しい、という人もいなくはない思いますが、今回作ったものの方が、
おそらく料理として完成度が高いと思います。
そして、海原雄山に胸ぐら掴まれ、往復ビンタを食らいつつ、終わろうと思います。
美味しんぼを読んでない人には、楽屋落ち的内容になってしまってすみません。
おそまつさまでした。
ではでは
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます