10日ほど前に、
試供品として貰ったクリスマスチョコは
夫婦で食べるには多すぎるので、職場の中国人にあげる事にした。
相棒の寿司子(中国人)には小、中学生の子供が2人いるので喜んでくれ
その日休んでいたもうひとりの中国人のチューさんには
寿司子から翌日チョコを手渡してもらう事にした。
「賞味期限が近いから
クリスマスまで取っておかないように伝えてね」
50代のチューさんは米国に来てまだ5年ぐらいの上
中国で英語を習っていないので
商品についた英語のラベルなど細かく読まないだろう
と思い、そう付け加えた。
翌々日の事 一緒に働いていた寿司子が
「チューさん チョコを喜んでたわよ
ただ 貴方にお返し出来るものがないわ って
気にもしてたかなぁ」
と言う。
それを聞き知り
中国でも日本のように「お返し」の風習があるんだ と
そんな連帯感が心地よかった。
それから数週間後の昨日、
一人で寿司を任された私は忙しさに
その日、中華で働くチューさんに
翌日の準備の一つを手伝ってくれないか 頼むことにした。
一応 マネージャーには許可を得てからにはしたよ。
手伝ってもらう準備の一つは
カリフォルニアロールの具である「すり身」を作る作業。
作業と言っても
作る量が少ないので、ものの10分もかからない。
チューさんとは英語が上手く通じない事が多いので
材料を揃え、すり身を指し、言葉も少なくし頼んだ。
ところが彼女は
チューさんは私と寿司も握っている人なので
材料を見れば、それが「すり身」を作るものだと知っているのに
何故そんな態度に出るんだろう と思いながらも
私は同じ言葉を繰り返し彼女に言った。
すると
チューさんはスマホにあるグーグル翻訳アプリの
音声翻訳を使って
中国語から英語に訳され、それを私に見せる。
スクリーンにあった文字は
「What are you talking about」
「手伝いたくない」 と言うと
職場で問題になるので
「何を言ってるの」 と
馬鹿を装う事にしたのかなぁ
それってなんか 悲しい。
スクリーンを私に見せた時に
チューさんの顔の筋肉が動いて
ニタっーとした表情になったのが、翌日の今日も思い出される。
何が彼女をあんな表情にさせたんだろう と
考えていたら
あの時のチューさんの表情は
ザマァー見ろ。仕返しや と
言っていたのかも知れない と気づいた。
と言うのは
その二日前の夕方、
中華で働く彼女の手伝いをせず、
私は寿司を終え次第、店を出たからだ。
そうなった事情は私なりにあるんだけど
言葉が通じないのでチューさんに説明しないままだった。
チューさんもチューさんで
その時感じた不満や疑問を私に訊けず
モヤモヤした想いを持っていたのだろう。
だから今回私が手伝いを頼んだ時、
これは仕返しにいいチャンスや と
私が頼んだすり身作りを
あんな形で断ったのかも知れない。
はい、はい
仕返しされた私も
それなりの罪は作りましたよ。
で
も
それだったら、
チョコのお返しが先だ!ってんだよ。 笑
ぽちっとね