「客には450ドルと伝えたんだろ?
その額を請求して残りはお前の物にすれば良い」
とバッキーに言われた私は
いくらなんでも それはない と思い
バッキーに食って掛かった。
「泥棒のような考えをしたり嘘をついたり
そんな自分の行動が自分の苦しみに繋がっていくのよ。」
何を言いたいのか分かりにくい表現だったけど
バッキーを痛めつけるかのように 勢いだけは凄かった。
私の攻撃を受けたバッキーは
仁王顔になって私にこう言った。
「You're a hypocrite おめぇーは偽善者やぁ 」
知人のためと言っても結局は自分の為にした事で
会社が損をしたのにそれを棚に上げ、善人ぶってるだけだ。
と
そう言われた私は
確かに、、、、
それは、、、、
ある。
と
返す言葉がなく 黙った。
今からでも遅くはないんだから
会社に事情を話し
割引されるべきでなかった125ドルの修正をしようか
とも考え始めたけれど
それをするには
勝手につけた生春巻きの割引や
使うべきでない従業員割引の事まで伝える事になる。
やっぱり この事は秘密にしておこう
そう決めた私は以前に増して、後ろめたさにつきまとわれた。
注文の生春巻きソースをパッケージしていたら
どこから来たのか 一人のボスが背後から近づいてきて
「盗む気なの?」 と
冗談ぽくではあったけど突然 そんな質問を私にする。
それこそ 心臓が ドキリ とした。
やましい事がなければ笑って返すだろうに
ドキリとした自分の顔を隠す気持ちがまず走った。
その時
後ろめたい気持ちになるような事は
もう2度とするまい と自分に言い聞かせた。
ぽちっとね