先日、第67回グラミー賞が発表された。なんとなく、グラミー賞の授賞式って2月の終わりみたいなイメージで、今年は早いな、なんて思ったけど、どうなんだろう?
そのグラミー賞、今年の主要部門は、ビヨンセがアルバム・オブ・ザ・イヤー、ケンドリック・ラマーがレコード・オブ・ザ・イヤーとソング・オブ・ザ・イヤーの2冠、という結果になった。ビヨンセは最優秀カントリー・アルバムも受賞したというから驚きだ。とにかく、おめでとうございます。
個人的には、レコード・オブ・ザ・イヤーにビートルズの「ナウ・アンド・ゼン」がノミネートされてたのが、意外というかやや驚きだった。
そのグラミー賞ほどではないと思うが、アメリカにはロックの殿堂というのもあり、ここに入るのも一応名誉なことなのだと思う。殿堂入りするミュージシャンは毎年発表されているが、昨年、なんとフォリナーが新たに殿堂入りした。栄誉て言っていいだろう。ちょっと遅いかな、という気もするが(苦笑) 最初のレコードを出してから25年以上経った人(グループ)が対象になる訳だが、フォリナーの場合は47年が経過している。ファン投票と選考委員の投票で決まるらしいが、選考基準に、ロックンロールの発展に貢献している事、みたいなのもあり、フォリナーに対する一般の評価はそんなものなのだろう。仕方ないか。あのイエスですら、殿堂入りは2017年と遅かったし、ま、ファンとしては、ここは素直に喜んだ方がいいのだろうね。ただ、告白すると、僕はフォリナーの殿堂入りを式典が終わって2ヶ月以上過ぎるまで知らなかった(恥) 大変申し訳ありませんm(_ _)m
で、殿堂入りを記念してなのかどうかは分からないけど、タイミング良くフォリナーの新編集ベスト盤が出た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a0/b60d5e769cd6fc1397ac93ea8cc39082.jpg)
皆さんご存知の通り、フォリナーってベスト盤がかなりの点数出ていて、はっきり言って訳分からない(苦笑) 実は僕もいくつか持っているが(『Records(1982)』『The Very Best...And Beyond(1992)』『Anthology : Juke Box Heroes(2000)』『40 : Forty Hits From Forty Years(2017)』)、どれも似たような内容なんで、フォリナーのベストはもういいかな、それより新作出してよ、なんて毎回思っていた。そこへきて今回の『Turning Back The Time』である。最初はスルーする気でいたが、新曲が一曲収録されていて、なんとルー・グラムが参加している、なんて話を聞いてしまうと簡単に素通りは出来ず、とりあえずカートには入れておいた訳だ(笑) そしたら殿堂入りを知ったもんで、ご祝儀のつもりと言い訳しつつ注文してしまったのであった(笑)
収録曲は、いつも通り70年代から80年代のフォリナー珠玉のヒット曲がずらりと並び、案の定というか何というか、『Unusual Heat』と『Mr. Moonlight』からは一曲もセレクトされてない。それどころか、ライナーに掲載されているディスコグラフィーでも、この2枚はカットされている。気の毒に。黒歴史なんだろうか...ま、それは置いといて(笑)、何度聴いても色褪せないヒット曲たちは、ほんと素晴らしい。ただ、どれもシングル・バージョンで収録されているのに『Long Long Way From Home』だけはアルバム・バージョンだった。何故だ? ま、いいか(笑)
で、肝心の新曲であるが、結論から言うと、素晴らしい出来映えだ。ま、過去のフォリナーの実績からすれば、これくらいの曲はフツーに作れるとは思うのだが、でも良い曲と思う。なんたって、ルー・グラムが歌っているのである。これだけでも感激だ。曲自体は、ミック・ジョーンズと最近一緒にやっているマーティ・フレデリクセンの二人の共作で、レコーディングにはミックとルーに、このマーティ・フレデリクセン(G、Bs、Perc)とエヴァン・フレデリクセン(Ds)(兄弟ですかね)を加えた4人で行われたらしい。録音は最近なのかなぁ。録音日時、場所などの詳細はクレジットがないので分からないが、ルーの声が若い頃とは違うけどルーには違いないし、歌いっぷりだってやっぱりルー・グラムだ!という感じで、実に素晴らしい。今のルーがこれだけ歌えるのなら、喜ばしいというか感動の極致だが、昔の録音かもしれないしな...いや、でも、良いです。どこへ出しても恥ずかしくない、感激のフォリナーの新曲なのである。
先ほど、本ベスト盤のリリースが殿堂入りと関係してるかどうか分からない、書いたが、それは間違いで、やはり殿堂入り記念らしい。ブックレットにミック・ジョーンズのコメントがある。せっかくなので紹介させて頂きます(意訳:MFCオーナー)
「フォリナーの殿堂入りは、私のキャリアに於いて、金で買えない最高の場面である。2024年10月19日は、私、ルー、アル、デニス、リックにとって、感動的な日としてずっと記憶されるだろうし、イアンとエドの家族にとっても、特別な日となるだろう。殿堂の名誉議長ジョン・サイクスと選考委員会議長のリック・クリスは、新しい時代の包括性と関連性の中でリーダーシップを発揮し、殿堂のあるべき姿に反映させた。私たちは、この一員になれた事を誇りに思う。私はこの曲たちのコレクションが私たちをここへ連れてきたと思うし、我々の行き先を照らしてくれるいくつかの最近の録音も併せて、私と同様にそれらを聴く全ての人々もそうだ、と意味する事になるだろう。」
後半は何だかよく分からないが^^;、ま、そういう事なんだろう(爆) ちなみに、断るまでもないが、10月19日は記念式典が行われた日。ま、なんとなくだけど、このコメントに、ミック・ジョーンズの殿堂入りに対する複雑な思いを感じてしまうのは僕だけか?(笑)
僕だけではなく、大半のフォリナー・ファンにとっても、殿堂入りは大した問題ではないと思う。本ベスト盤を聴いてみても分かるように、フォリナーが今までに数多くの素晴らしい作品を発表し、それらをヒットさせてきたという事実が重要なのだ。本作に収録された18曲(新曲1曲含む)は、今までに何度聴いたか分からない、でも今でも聴くたびに新たな発見があり感動がある。実にエバーグリーンな名曲たちなのだ。誰が何と言おうとフォリナーは凄い。デビューから48年、ミック・ジョーンズも80歳になり、正直言うと、新作も来日公演もこの先期待出来ないけど、僕はずっとフォリナーのファンであり続けます。よろしく(って誰に言ってるんだか。笑)