「考えというか、…」
と、彼は口籠りました。彼のこれから言い出す答えが祖父には気に入らないだろう事は、彼には前以て想像がついていました。
「…これから先は、僕と同じ研究室の優秀な後輩達頼みなんだ。」
「彼等がこの先の僕の理論を考え進めて、僕達を此処へ迎えに来てくれるのを待つしかないんだ。」
そう彼が答えると、祖父は顔を真っ赤にして激怒しました。
「おい、それじゃあ、全く人様任せなのかい。」
呆れたねと、祖父は怒りに任せて孫に食って掛かりまた。
「恥ずかしい!、恥ずかしいと思わないのかね、帰り道も分からない散歩に出て、迷子になったら迎えに来てくださいと、あなた任せで持てばいいだなんて…」
「この馬鹿者!」
と、祖父は孫の光君を怒鳴りつけました。