Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

マルのじれんま 13

2020-04-15 12:49:55 | 日記
 「それで、兄さん、今度はこのシルさんと結婚するんだね。」

エンが突然そんな事を言い出す物だから、マルは慌てました。

 彼は赤面して弟の言葉を否定すると、これだからと言って、お前に離婚の話をするのが嫌で会いたく無かったのだ、と言うのでした。シルはこの船での相談係、乗組員の精神面でのケアが彼女の仕事なのだ、こうエンに説明しました。

 「彼女の事については最初に紹介しただろう。」やや不満そうにマルは弟に言いました。「私にだって苦手な分野は有るんだ。」内心の焦りを隠すようにマルは早口で話しました。

 「兄さんに?。」

何でもよく出来る兄さんにね、苦手な物が有るとは…。弟が如何にも意外だという様子で驚くとマルは私は人間関係の感情のやりとり取り方が苦手でね、とこぼしました。

「特に女性は、私は昔から苦手だっただろう。」

お前もよく知っているじゃないか、そういう兄に、エンは如何にも可笑しそうにハハハと笑うと、

「モテモテだったじゃないか、兄さん。」

あれのどこが苦手だったんだい。と愉快そうに兄に問い掛けました。