「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

欧州危機の最中に鎌倉投信「結い2101」を購入してみた / Paul McCartney で The Pound Is Sinking ♪

2012-06-18 00:00:09 | モノ・お金
今から30年前のポール・マッカートニーの歌。TUG OF WARというアルバムに収められた一曲でタイトルはThe Pound Is Sinking♪ 当時私はこのLPレコードを持っていた。今もCDを持っている。まだ東西冷戦時代であり、ベルリンの壁は壊れておらず、ユーロなんて通貨は誕生していなかった頃(ただしECUはすでにあった)の歌である。



歌詞に、今ではユーロに統合されてしまい存在していない通貨の名前がボロボロ出て来る。30年の間に経済状況、制度は変化したのだ。サー・マッカートニーはポンドの弱さを歌っているが、今ではポンドは強い印象がある。
本日注目すべきは大きなフォントのところ。

The Pound is sinking
The Peso's falling
The Lira's reeling
And feeling quite appalling

The Mark is holding
The Franc is fading
The Drachma's very weak, but everyone's still trading

The market's bottom
Has fallen right out
And only the strong are survivors

・・・・・

The Dollar's moving
The Rouble's rising
The Yen is keeping up which hardly seems surprising (←笑える。今もそうだ。でもそれも終焉ような気がする)

・・・・・

大きめのフォントのところにあるように、当時マルク(ドイツの旧通貨)は強く、ドラクマ(ギリシャの旧通貨)は弱かったわけだ。そしてその図式は30年経った今も変わらない。欧州危機。ギリシャ、スペイン、イタリア。欧州内南北問題だ。政治的・財政的統合もないまま、通貨だけを一括りにしてしまった。歌詞のとおり、Only the strong are survivors♪

事の発端でもあり政治的経済的に少々だらしない当の南欧諸国(我が国もだらしなさでは相当なものだが)自身に加え、その他の経済主要国もドイツの頑さを責め、ドイツは近隣諸国を助けるべき!と叫ぶ。米国までそうだ。

サー・マッカートニー同様、いつも冷静で賢明なフィナンシャル・タイムズ紙は予てからユーロとは距離を置いた姿勢が鮮明だったし、今となってはそれが大正解だったわけで「やはり賢いなぁ」と私は思うのだが、さらにそれを強く思わせるのは、例えば先週のこのコラムだ。恐ろしく冷めたこの新聞のコラムニストは「ドイツばかりを責め、追い込むのはかわいそうってもんだ」と言い、欧州の政治的に危険な兆候を指摘する。



以前からこのコラムでは、ギリシャのユーロ離脱が時間の問題であるかのように書いてあった。「そもそも現体制を維持しようってのが無理だ」という論調だ。確かに長く揺れ動くこの問題に世界は一喜一憂して来たが、トータルで見ればどんどん悪い方向に進んで来た。一瞬問題が改善するように見えても、後から波状攻撃のように新たなショックに襲われ、ギリシャに代表される弱い国々はさらに悪い状況に陥って来たのである。

FT紙の記事やコラムによる将来の分析は、後から検証してみると真実を突いていることが多く、感心させられる。

いつからだったか、我が国のやや軽薄な経済紙はこのライバル紙のコラムを日本語訳し、ちょっと遅れて掲載する。これがFT紙の上記記事の翻訳だ。



今でも確率的には低いと思われるが、現在南欧諸国に向けられている視線が急に我が国に向けられるかもしれず、そんなことがもしあれば我が国ではどのようなことが起こるか? あれこれ想像していると恐ろしいなぁ。その時、私はどのように自衛すればいいのだろう? いや「その時」では間に合わないかもしれない。

矛盾するようだが、鎌倉投信の「結い2101」を追加購入した。鎌倉投信は鎌倉市雪ノ下にある日本家屋を本社とする変わった投信委託会社である。TOPIX等のベンチマークなんて無関係な投資だ。流動性の低い銘柄も中にはある。先週あたりでキャッシュ比率40%。自社基準でみて「いい会社」と思う銘柄をポートフォリオにゆっくりと組み入れて行く。社長の鎌田氏はとても実直な方である。

残高は今も小さく、15億円ほど。受益者数約3,000人。ひとり平均50万円ほどの残高を抱えていることになる。直販のみで投資家が支払う総コストは低いが、経営する方は大変でしょうねえ。



このブログにもすでに書いたが、今年1月、私は「結い2101」を初めて購入した。私が日本株(投信)を買うのは20年ぶりのことであった。下のチャートでわかるように、その購入のタイミングは絶妙で結いの基準価額はその後急上昇。しかし最近ではズルズルと下落。そこで今回は前回の2倍の金額で追加投資を行った。さて激動の世界経済の中、今後の鎌倉投信「結い2101」はどうなりますか。

【鎌倉投信「結い2101」の基準価額推移 資料:Morninng Star】


このチャートではよくわからないが、長年ほとんど世界最弱資産クラスであったとも言えるTOPIXに比較すれば、上げ相場でも下げ相場でも、結いは相対的に強い運用を続けている(TOPIXに勝つことを目標のひとつにしているわけではないのだが)。キャッシュ比率が高いのだから下げ相場でそうなのはわかるが、上げ相場でも同様なのである。

経済危機は多大な経済変動(それもネガティブな下向きの変動)をもたらし、多くの場合それは不幸につながるけれど、それが次のチャンスをもたらすきっかけとなることも事実。がんばりましょう。
コメント (2)
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