「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

豚肉キーマ・カレー を作る / スパイスの饗宴 in 自宅キッチン / 鎌倉七里ガ浜がムンバイに

2008-12-13 11:31:41 | 食べ物・飲み物
ついに週末だ。土曜日は気楽で良い。開放感に満ち満ちている。加えて今日は妻が一日外出している(誤解の無い様に付け加えると、その状態が良いと言っているわけでは決してない)。江ノ電とJRに乗りわざわざTokyoまでお茶の稽古に出かける我が家の女王(女は我が家には一人しかいない。妻である。男は犬と人間のそれぞれ1頭がいるが・・・)から、晩御飯作成係を拝命した私は、ランチ時間前からディナーの準備に取り掛かった。前日から考えに考えた挙句、晩御飯作成係は本日のディナーはを豚の挽肉を使ったキーマ・カレーにすると宣言した。



私は玄関脇収納庫の奥から積水化学社製高性能密封プラスティック容器を取り出した。その容器のふたを開けて出したのは10種類ほどのスパイス類を入れた袋をゴムで固く閉じ、それをさらに密閉ビニール袋(ziplock)に入れたものだ。しかしそれだけで(まだziplockを開けていない)、我が家のキッチンは香りが複雑に交じり合うスパイスの饗宴状態となった。なんとも食欲を刺激するニオイである。

世界各国に料理の種類は数あれど、強烈な個性を持つ香りをあれこれ混ぜ合わせて、そこに食材をぶち込んで見事に一つの調和を実現するインド・カレーは、少なくとも「香りのシンフォニー部門」大賞受賞者である。



何事にも妥協せず、昼前から数多いスパイスをキッチンに広げて黙々とディナーを作る私。然るに実は、私はかなりの面倒くさがりなのである。使うスパイスの数は出来るだけ減らしたい。

インドカレーのレシピを見ると、たいていどれもスパイスをあれこれ多数使うし、聞いたことのない名前の食材も登場する。しかし数年前の料理雑誌dancyuにちょっと簡単そうなカレーのレシピが載っているのを発見した。スパイスの種類は比較的少なく「これは良い!」と思ったが、なんだか味は私好みでない可能性も高そうなレシピである。

本日はその古いdancyuのレシピをパクりながらも、それには従順にならず、食材もスパイスも自分なりにちょっと変えて作ってみようと思っている。しかしそれをやると、失敗する可能性が高いんだがなぁ~~。まあいいか、やってみよう。



ディナーのお供はこれにしようと思っている。オーストラリアのタービルク・シラーズ2001年。シラーズ種は最近日本でも有名になってきた。私もシラーズは大好きで、赤ワインと言えばこれや、そのブレンドばかり飲んで来たが、このタービルクというワイナリーのワインは、これでまだ2度目でなのである。ちょっと古くさい作りで、そこがまた稀少な雰囲気を醸しだして人気なのだ思われる。2000円ちょっとだが、スペインのリオハの如く古いビンテージのものが普通に手に入る個性的なワインだ。

先日「赤ワインを飲まなくなったなぁ」と私が言うと、妻が「最近カレーを作らないからよ」と返した。普通はあまり聞かない会話である。カレーを食べて赤ワインを飲む、というのはそもそも日本ではあまりないことだ。海外でもあまりないであろう。しかし、オーストラリアのシラーズ種で濃厚なものは、カレーに合う。焼き鳥にも焼餃子にも合うはずだ。私はそうした楽しみ方を実践して来ているが、同意する人はなぜか少ない。



このワインをカレーにドボドボ注ごうと思っているが、かつそれを飲みながらカレーを作っていたのでは、食事時に飲むワインがなくなる。そこでカレーを作りながら飲むのは八海山とした。冷静な判断だ。誰もが知っているであろう。八海山はとてもしっかりしたお酒だ。



さて調理には時間がかかる。音楽をかけましょう。今年リリースされたアン・マレー(懐かしいと感じますか?それとも、知らないですか?)のCD、DUETS。「彼女はカナダ人歌手」と言っただけで、ここ10年くらいは「セリーヌ・ディオン?」と言われたりするが、万博(Expo'70 in Osaka)の頃からずっと歌っているカナダ人歌手はこのアン・マレーくらいのものだろう。彼女がこれまでに歌ったいろいろな歌を、他の女性歌手と彼女自身がデュエットしてまとめたアルバムだ。優しく、柔らかい声は健在である。

さて、カレーの味の出来具合はどうなるであろうか?今晩のお楽しみだ。ターメリック、ガラムマサラ、クミン、レッド・ペパー等の強烈な香りが、それらを入れた袋に触れただけで、すでに私の指についている。このニオイを嗅ぐだけでも、栄養がつきそうだ。
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d'ArenbergのHermit Crab Viognier Marsanneとカキのバター焼き

2008-12-07 14:28:16 | 食べ物・飲み物
本日のランチのお供はオーストラリアの著名ワイナリーd'Arenbergのヴィオニエ + マルサンヌのブレンド(1番目の画像)である。オセアニアワインなら何でもおまかせの強力なディーラー、ヴィレッジ・セラーズの通販で買った(2番目の画像がそこの最新カタログ)ものだ。ここからはもう10年くらい続けて購入しているが、このワインは比較的最近買うようになったものだ。



自分が歳をとり、食べ物の嗜好が変わったのだと思う。以前はオーストラリア産シラーズの濃厚な赤ワインをよく飲んだが、白ワインはあっさりしたシャルドネを冷やしてビールの代わりに飲むような使い方がたまにある程度。ところが最近は肉料理を食べることが減り、赤ワインの消費量が減った。一方魚介類を食べることが多くなり、白ワインの種類をあれこれ真剣に選ぶようになった。

このHermit Crab Viognier Marsanneは、ちょっとばかり重い。そしてまったりした複雑な香りを、飲んだ後の舌の上に残す。このあたりの分野まで来ると、国産のワインは外国産の優れたものにまったく太刀打ち出来ない。生産地の気候や土壌の適性と歴史や経験の違い、さらに言えば飲む側の食文化の違いだろう。それでいてこのボトル、買って家で飲むなら2000円ほどで手に入る。



ワインがこうなると、刺身では味が負けてしまう。シーフードでもちょっとしっかりした味付けの料理が必要になる。今日のランチはカキのバター焼きだ。小麦粉を少しだけつけて塩コショウし、バターで焼いて仕上げる(私は食べただけ、作ったのは妻)。一部にはフレンチ・ハーブ・ミックスがかかっている。レモンを絞って食べ、このワインを飲む。



日曜日ってなんとも気楽で楽しいが、明日は月曜日だと思うと、遊ぶにも食べるにも若干の悲壮感が漂う。しかし先日テレビでウイーン・フィルが演奏していたことを思い出しチャイコフスキーの交響曲第5番のCDをかけたら、最後はワグナーみたいに壮大に聴こえて来て、私の気分もどんどん大きくなってしまった。「この世に悪いことなど何もない!あっても私ならそれと戦える」という気分になるのである。チャイコフスキーの5番は、サラリーマンのやや憂鬱な日曜日に相応しい曲だ。

カキをつまむ。ワインを飲む。カキをつまむ。ワインを飲む。繰り返していると眠くなり、しっかり昼寝した。

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ブレイス代表丸山さんの名言とコンクリートの玄関ポーチ

2008-12-07 04:27:26 | 八ヶ岳西麓の楽しい暮らし
八ヶ岳の山荘、その近くの私の両親の家、さらに鎌倉七里ガ浜の自宅。この3軒を建ててくれたビルダー集団ブレイスの代表は丸山さんという方である。山荘建築の打ち合わせをしていたある日、丸山さんは私に「施主のすべてが建築資金としてもう少しお金が手に入れば・・・と思っている」と言った。まったくお金がないし、借金も出来ない人。少し貯金はあるが、借金はしたくない人。貯金はないが、借金は出来るので目一杯借金しようとする人。借金なんかしないでも、4000万円までならキャッシュで家を建てられるという余裕のある人。施工業者としての彼が出会う施主の経済状態は様々である。しかし経済的レベルは異なるものの、誰もが皆それなりに「もうちょっとお金があればなぁ」と思っているらしい。

例えば、まったく貯金がない施主は「銀行は800万円しか貸してくれないらしい。あぁ、あと400万、せめて合計1200万円借金出来ればなぁ」と思っているとする。彼あるいは彼女からすれば「キャッシュで4000万円用意出来るリッチな施主に一体何の悩みがあるだろうか」というようなものだろうが、リッチな施主はリッチな施主で「あぁ、あと1500万円キャッシュがあればなぁ」と思っているわけである。以前私はこのブログで「施主は施工業者の信用、経営の継続性を云々し厳しく批評するが、施工業者は数知れぬ施主に会い目は肥えて、もっと厳しい目で施主を見ている」と書いた。上の丸山さんのコメントはそうした経験に裏打ちされたなかなかの名言であると思う。



山荘を建てようとしていた段階での私は「ほとんど貯金なしだが、少しは借金も出来る、しかしながら希望する建物に必要な総額を工面するのは難しい」という状態にあった。最初に丸山さんが作ってくれた、金も無い私の勝手な要望をすべて満たすてんこ盛り豪華プランの見積りを見て、私は「とても払えない」と思ったので、順番にコスト・カットを試みた。「このドアはオーク材を止めて、ヘムロックのにしたらいくら下がる?」「洗面所はタイル張りを止めて、パイン材の床にしたらいくら下がる?」と計算を依頼した。丸山さんは辛抱強くサクサクと計算してくれて答えを出してくれた。

そうした減額修正の試みの中で、私がやったやや非常識なものがコンクリートのままの玄関ポーチである。普通、住宅雑誌でよく紹介されるローコストを謳う家でも、玄関ドアの外側スグの所はタイルあるいは石の乱尺張りにしていることが多い。コンクリートを固めて終わりというのは、あまりに素っ気無く見えるのだろう。しかし山荘において、私はそれをやってみたのだった。

山荘は建築から10年近く経過したが、その小さな玄関ポーチは今も笑ってしまうほど素っ気無い。しかし、ポーチの上には常にカラマツの葉や薪の木屑が一杯落ちていて、コンクリート製の無骨さ味気無さに違和感はない。それ以来それは我が家の「伝統」になった。両親の家も現在の鎌倉七里ガ浜の自宅も、玄関ポーチはコンクリートのままである。この上で荒っぽいことも平気で出来るし、外に向かって家が一定の主張をしているように見える。私はお勧めするが、やや常識はずれであることは否めない。上の画像は自宅のものである。掃除好きな妻が常に塵や落ち葉を完璧に排除するので、そのまま全てがむき出しであり、まだ白っぽく若造な感じだ。



しかしコンクリートも年月を経れば味わいが出る。上の画像のように、一部が流れ、中に入っていた小さな石が露出し、汚れて丸みも増す。やがて自宅のポーチも少しはこれに近づくだろう。外出から自宅に戻った時、私は玄関ポーチを見ていつも丸山さんの名言を思い出すのである。誰もがそれぞれにまったく違うレベルで「もう少しお金があればなぁ」と思っているわけだ。味わい深い言葉である。
コメント (4)
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ドアノブは球形に限る

2008-12-05 21:59:25 | 内装・インテリア
我が家のドアノブはすべて球形である。最近はレバー型が主流になってきたようで、球形のノブは売ってはいるものの、数で劣る。では、どうして我が家は球形のドアノブに拘るのか。レバー型だとドアを開けてしまう変な犬が同居しているからだ。我が家の犬は脚が長い。たいていのドアノブは、彼の鼻あたりの高さにある。レバー式のノブなら、鼻で押し上げあるいは押し下げてドアを開けることが出来るということを彼は幼少時に覚えてしまったのだ。

彼が我が家にやって来たのは4年半前のことだ。まだ鎌倉に引っ越して来る前のことで、当時の自宅のドアノブはすべてレバー式だった。超活発な幼犬時代の彼は勝手に屋内のドアを鼻で開けて移動し、次々といたずらをしたのである。彼が勝手にドアを押し開けられないように、屋内のドアノブをすべて球形のモノに付け替えるという面倒な作業を、私は強いられた。



上の画像は今の自宅の玄関ドアのノブである。犬対応策が建築時にとられ、ドアノブは最初から球形のものとした。加えて強いバネが玄関ドアにはついている。人間が玄関ドアを開けても、手を離せば勝手に閉まるようになっていて、このバネに逆らってドアを開けるには少し力が必要である。我が家の犬も庭へ勝手に出て行くことは出来なくなった。



2番目の画像は今の自宅の室内ドアのノブである。我が家の犬もさすがにこれでは勝手に開けられない。今の家ではドアが閉まっていれば、彼は屋内すら移動出来ないのである。しかし家以外の建物でレバー式のノブを見かけると、彼はいまだに鼻で開けようとする。彼を診て下さっている獣医さんの診療室のドアがそうだ。



最後の画像は山荘の玄関ドアである。これは取替えたモノだ。当初はレバー式だった。山荘の周囲はフェンスもなく、彼が外へ出たら、八ヶ岳山麓のどこへでも行ける。実際彼は勝手にお出かけし、別荘地内で遊んでいたことがある。すぐ帰って来たから良いが、もしそこで彼が鹿などを見つけていたら大変なことだっただろう。ガン・ドッグとしての血が騒ぎ、山中を追跡したに違いない。そこで、これもレバー式から球形に変更となった。

画像にある自宅のノブが米国製(あるいは米国の会社がそれ以外の国で作らせているもの)で、山荘のがドイツ製である。一般にドアはその寿命のうちにのべ何十万回も開け閉めされるので、開閉のつど力を加えられ回転させられるノブには、かなりの耐久性が求められる。普通の価格帯の外国製品が、なぜか高価な国産品より頑丈に作られていることが多いという。これも歴史の違いだろうか。本来日本は開閉式のドアの国ではない。

ここに画像はないが、レバー式のドアノブだと外国製品の方がデザイン性において妙に優れて見える。他でも水栓、洗面ボウル、照明器具、階段の手すり等デザインが立体的で曲線的なものになるほど輸入品に分があり、微妙な角度・奥行き・幅・高さ・曲がり具合でバランスのうまさを見せてくれる。
コメント (2)
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