午後1時半、肩の小屋に到着、一服して宮城のおじさんと穂先へアタック開始。緊張してのどが渇く。おじさん自信満々そうに先を行く、穂先は何度目かと聞いたら「初めてだ」という、ほお・・ 取りつきからさっそく三点確保が続く。普段なら何でもないが、なんせ1,500m登ってきた脚だ、相当疲れている。

登頂ルート前後に登山者はいるが、渋滞するほどでもない。以前夏の休日のピークは肩の小屋から穂先まで6時間待ちだったと聞いたことがあるが、今日はそんなこともない。
途中でおじさんが写真を取ってくれた。上を見るとまだ山頂までは距離がある。黙々と登り、最後のハシゴに到達。おじさんが先に行けという、昨年肩の小屋で断念したことを話していたから、順番を譲ってくれた。そして山頂へ。

山頂は十人ほども居られるスペース、もちろん手すりなどないから脚を滑らしたら真っ逆さまだ。しかし、今日はそんなに混んでないし、風もない。それでも順番を待って、槍の標識を持ち、祠そばで写真撮影する。


下に見えるのは肩の小屋、その下の写真は昨年登って来た西鎌尾根・裏銀座方面、さらにその下は常念山脈と360度の展望だ。山頂に立った者だけが見れる景色、素晴らしい。



山頂で若い二人連れの女性から、どうやって下りるんですか、と聞かれる。初心者らしく、不安そうだ。下り方を簡単に説明し、落石は絶対しないように言う。それを聞いて降りて行ったが、その後どうなったか。事故の情報はないから無事下りたんだろう。私は昨年半年ほど、岩山の昇り降りを訓練した。しかしこのような初心者も混ざってるんだな。
おじさん、一生の記念だと言ってなかなか降りない。20分、いや30分ほどもいただろうか、しようがない私が先に降り始める。下りは結構怖い。ハシゴは高度感があるが、しっかり握って下りればいればどうってことはない。
クサリは、ほぼ垂直の箇所もあり、慣れないと危険だ。コツは腕に頼らないこと、腕に力を入れ続けるとすぐに疲れてしまう。私はだいぶ慣れてはいるが、慣れてない人は難渋しそうだ。クラツーの団体登山では安全のため、ロープを張って下りることもあるそうだが、この狭い場所で渋滞していると迷惑になるな。
祠のほうから二人の登山者がひょっこり現れる。穂先に登るもう一つのルート、北鎌尾根から登ってきた方々だ。北鎌は有名な難易度の高いルートで、一般の登山者では歯が立たない、そして事故の多いルートだ。尊敬する。

とにかく、無事下山。今登った穂先を下から眺める。そしておじさんと合流し、小屋のベンチに座り、ロング缶で乾杯。緊張してたから喉がカラカラ、ビールもよく吸い込める。おじさんも私もしっかり🍺のつまみは持ってきた(笑)。大目標達成後のビールは最高だ。百名山談議に花が咲く。
その4に続く