新・中小企業診断士の実像 | |
上井 光裕,有亦 弼彦,栗田 大介,和氣 俊郎 | |
同友館 |
「ひよこ食い」という言葉がある。中小企業診断士の世界では以前から聞いてはいたが、これは診断士に限らず、税理士や行政書士などのほかの士業にもあるというので、今日は書いてみた。
独立開業したての士業は、仕事がない、顧客が取れない、しかし、時間はある、という状態になる。この段階で先輩の士業の方が、俺の仕事手伝わないか、執筆の仕事あるよ、顧客の取り方セミナーに参加しないか、このようなお誘いがよくある。
そして実態は、手伝った仕事がタダ同然だった、執筆の報酬はスズメの涙ほどだった、セミナーは何十万円の高額だった、というものを「ひよこ食い」という。
今、時間はあるし、ただで教えてもらえるからいいじゃないか、名前を売るなら執筆なんてただでもいいじゃないか、高額なセミナーといっても売れれば、この程度すぐ回収できるよ、という気持ちになり、最初はしようがない、と思う方も多い。
私の経験を話す。教えてもらうためただ同然の仕事や、高額なセミナーは行かなかったが、執筆は今考えると非常に安い単価で受けていた。これ、今にして思うと、ひよこ食いだった。
ひよこ食いを仕事として、行っている人は、自分じゃ食えないからだ。それ以外にはない。騙されないコツは、仕事の手伝いなら、ちゃんと顧客を持って儲かってる方からの仕事。そして高額なセミナーは行かないこと。そんなに儲かるなら自分でやれと言いたい。執筆はもともと儲からない仕事だ、自分ブランド確立のため、と割り切ってやることかな。