最近、経済本は、三橋貴明氏の日本経済は明るいという本ばかり読んでいる。そこで、ちょっと暗い本も読んでみようと思って、手に取った。投資家の藤巻健史という方の本である。この方の著書は、日本は、破たんするというタイトルがずらっと並ぶ。まさに、悲観主義者だ。
この本の要旨は、豊かさを先取りしてしまった日本は、孫の代までかかって馬車馬のごとく働いて、借金を返さねばならない。震災対応も含めて、日本には金がないから、最後は、禁じ手の日銀引き受けの国債(つまり、日銀が紙幣をじゃんじゃん印刷すること)を発行せざるを得ないだろう。その時、外国人投資家の信認が得られず、円は暴落し、超インフレになる。従って皆さんもお金は、銀行などに預けずに、外貨預金などにしたほうがよい、というものだ。
さて、この論は、2つほど疑問がある。一つは、「孫の代までかかって借金を返済しなければならない」。しかし、バランスシートでいうと、借金の大半は、日本人自身の資産、特に現金預金である。言い方を変えると「孫の代まで資産を持ち越す」ことになる。日本人の誰かが、国債をすぐ現金に換えたい、すぐ返してほしいというのであろうか?企業のバランスシートでは長期負債は、資本のうちでも安定的な資本となっている。この借金の感覚が私と違う。
もう一つは、「日銀引き受けの国債を発行すると、超インフレになる」ことだ。ここは私も以前から疑問を持っている。三橋貴明氏や渡辺義美氏などは、ちょうどいいインフレになるといい、竹中平蔵氏もインフレターゲット論者である。藤巻氏はこのデフレの時代に、あっという間に超インフレになるという。どっちが本当なのか、この議論はテレビなどでもあまり聞いたことがない。
ちなみに、yahoo知恵袋で聞いてみたが、大した答えは返ってこなかった。復興に税金を投入するとして、議論されているが、この問題、最後は日銀引き受けの問題になるんではないだろうか。その時日本はどうなるのか、一挙に景気が回復するのは、それとも、超インフレになって我々の資産は紙くずになってしまうのか。知りたい。どなたか知っている人は教えてください。