昨日は、エネルギー管理士の団体、省エネルギーセンター主催の「省エネ・新電力セミナー」に参加した。あんまり期待していなかったのだが、意に反して結構面白かった。4件ほど発表があったが、特に後半の2件が面白語ったため、簡単に紹介する。
一つは、㈱エネットの取組み、この会社は新電力としては日本で一番大きな会社だ。エネットの行っているサービスとして、「デマンドレスポンス」というのがある。これは、1年のうち電力需要のピーク2.5%を削減すると、発電所が10%削減できるというもので、これで年間500億円の削減効果がある。節電に協力いただいたお客様には何らかのインセティブを与えるしくみだ。
他に時間帯別サービスや、電力の需給ひっ迫時、外部の店舗を利用して自宅の電力を使わないとポイントがたまる「スマポ」サービス、同じくひっ迫時に、ガスのコジェネを使ってもらうサービス、電力の地産池消サービスなど、数多くのサービスを手掛けている。どうやら、これらのサービスは、電力は現在は、原発がダメで、需要>供給の状態だから、ITCを上手に使って、需要を減らすサービスのようだ。
もう一つの話は、海外コンサルタントからシナリオプランニングによる電力小売りの競争力の話。シナリオプランニングとは、不確実性が高い計画は、事業系計画がなかなか作れない、そこである前提を置いて計画をいくつか作るもので、私もサラリーマン時代にこのシナリオプランニング、接したことがある。
今回の発表は、電力が供給過剰とはなっていないシナリオA、異業種を交えた小売競争になっているシナリオBを考えて、シナリオBの場合に必要とされる競争力を検討したものだ。
シナリオBでは、商品の組合せによるバンドル販売となっている。結論は、安売り競争は業界のためにはならない、事業者は、価格以外での価値提供が必要とのこと。自由化で先行するドイツの例を示して、「需要家視点」が必要だとのこと。エネルギーのLTV(ライフタイムバリュー)だ。エネルギーコンサル、安心安全のホームサービス、金融支援、緊急時の契約を超えたサービス、損失補てんなど実際に効果が出ているかどうか、まだわからないが、そんなサービスをやってるそうだ。
最後に発表者がエネルギー会社の方と話してると、石橋を叩いて渡る方が多いと感じる。シナリオBでは、スピード感と異業種のマーケティングが必要とのこと。
ウ~ム、この話は分かるな、なんせ電力ガス業界は、法律で供給義務が課せられていて、「何人にも正当な事由がない限り、供給を拒んではならない」というのが頭に叩き込まれてるからね。オモテは暑いが、中はエアコンが聞いていて涼しく、結構面白いセミナーであった。