気象報士試験の学習をしていて気が付いた。地球の海面水位の上昇の原因は何か、という問題が出た。平成22年の第1回、学科一般の第10問である。問題の全体を説明する。
問題10 温室効果気体の増加による地球温暖化について述べた次の文で正誤を選べ。
(a) 地表面を覆う雪や氷の面積が減少すると、地表面の受け取る正味の短波放射量は減る。
(b) 20世紀における海面水位の上昇は、主に氷床と氷河の融解による。
(c) 地球温暖化が進んでも、大気中の平均水蒸気量は変化しない。
(d) 地球温暖化の結果、多くの地域では降水の強度が弱くなると予測されている。
1)(a)み正しい 2)b)のみ正しい 3)c)のみ正しい 4)(d)のみ正しい 5)すべて誤り
さて、どうだろうか、考えてみる。
1)はアルベドと太陽放射の問題、短波照射とは太陽放射のこと。太陽の放射を地球表面で反射することをアルベドという。雪や氷はアルベドが大きいため、減少すると、地球は太陽放射を多く吸収するようになる。従って誤りだろう。
2)海面水位の上昇原因は何か、実は私は知らない。そこでこの問題は保留。
3)温暖化で、地球が温まると、大気中の飽和水蒸気圧が大きくなるから、水蒸気量が多くなる。したがって誤りだろう。
4)温暖化が進むと、水蒸気量が多くなり、熱帯化するため、降水の強度は強くなる。台風も海面水温が高くなると、なかなか衰退しない。従って誤りだろう。
すると、2)か、5)、私はスイスの氷河の溶けるのを見たから、2)と思った。
正解は、5)だった。2)は、海面水面上昇の大部分は、海水の熱膨張によるもので、小規模の氷床や氷河の融解はその効果はそれほど大きくないそうだ。
海面水位の上昇は、熱膨張ねえ、100年で1℃位しか上がっていないんだが、これが影響するとは、気象予報士試験の問題に出る位だから、問題は間違いないだろう。新しい知識だ。
気象予報士試験 模範解答と解説 35回 平成22年度第2回 | |
クリエーター情報なし | |
東京堂出版 |