今日のタイトル、「日本製鉄の転生」を読む。日本製鉄、あの新日鉄だ。私も技術屋だが、就職の際、新日鉄は日本一の企業で、私など考えもしないレベルの企業さんだった。その日本製鉄は、しばらくだいぶ落ち込んでいたが、ここ数年の業績は、ずいぶんといい。アメリカのUSスチールまで買収しようという勢いだ。
本書は、この数年の記録である。余剰設備である高炉を整理し、製品価格を値上げし、意思決定のスピードをアップ、海外需要や海外工場を買収、活用などして、急激に業績がアップした。
私が、この本で感心したのは二点。一つは、社長のKPI(重要業績評価指標)は、「社員の給与総額をどれだけ増やせたかだ!」 って、これも社員には嬉しい内容だ、そして、実際その通りになった。
もう一つは、製品の値上げだ。コストダウンは誰でも思い付き、実行するが、値上げはねえ‥「安値は企業価値を下げる自殺行為」、「値上げしてシェアを奪われてもかまわない、値上げを認めてもらえないなら、供給制限もせざるを得ないことを伝えてほしい」って、凄いな。
私も中小零細企業だが、会社を経営して12年になる。自社製品を値上げ、など考えたこともない。でもよく考えれば、自社製品の価値を見直し、世間に堂々と値上げを訴えることって、ありそうだな。私の会社じゃ無理だが・・
輸入物価の上昇や、税金などで値上げはあるが、そうでもない理由の値上げって、できる企業さんは、経営者が凄いし、底力あるなあ。