Reflections

時のかけらたち

懐かしい映画 フェリーニ 「道」・・・ Fellini's "La Strada"

2021-10-06 22:42:25 | movie

いま私の頭の中をくるくる回っているのはボビンレースのボビンとフェスティバルが近いカルメンの「ハバネラ」と昨日
裏高尾から高尾まで久しぶりに自然の中を花探しして歩き回った自然。たくさんの鳥の鳴き声も聞きました。

今日は夏にやっと見たフェリーニの「道」をアップすることにしました。ずいぶん昔に録画していたのに、大事にしすぎて、
いつか消えていて図書館から借りてきて見ました。最初に見たのはたぶん小学生の頃、親に連れられて映画館に見に行き、
その後TVで放映されたのを2回くらい見たと思います。初めて見たときはあの薄く雪が残る大地に置き去りにしてザンパノが
去っていくシーンや、最後に波打ち際で泣き崩れるザンパノの姿が強い印象となり残りました。

古い映画で最も印象に残った映画がこの「道」とフランス映画史上ベストともいわれる「天井桟敷の人々」です。

道 La Strada 1954年
制作 カルロ・ポンティ
   ディノ・デ・ラウレンティス
監督・原案・脚色フェデリコ・フェリーニ
脚色 トゥッリオ・ピネッリ
音楽 ニーノ・ロータ

キャスト
 ザンパーノ:アンソニー・クイン
 ジェルソミーナ:ジュリエッタ・マシーナ
 キ印:リチャード・ベースハート

この映画は写真を探して調べていても、涙が出そうになる映画です。ジュリエッタ・マシーナの純粋さのあふれる演技と
あのメロディーあっての映画。

 

フェリーニのネオ・リアリズモ最後の映画とか。特にフェリーニのファンではなかったので、ほかにはTVでジュリエッタ・マシーナ
を主役にした「魂のジュリエッタ」しか見た記憶がありません。サーカスのような映画は見なかったです。

中学生か高校生の頃TVで放映していたのを見たのが2回目。

小学生の頃より、少し成長して、この映画の中での有名な石ころのセリフに心動かされました。道端のどんなに
小さな石ころでも何かの役に立っているとキ印がジェルソミーナを力づけるセリフです。最近の字幕にはキ印という
表現がなくなっていて放送禁止用語だったのですね。キ印はイタリア語でイル マット と呼ばれていました。
天使か神かきちがいか・・解釈はいろいろ。何か愛を感じるシーンでした。

 

中学か高校の頃見た時の字幕にジェルソミーナの「私がザンパノと一緒にいるのは食べさせてもらっているからでは
ないのよ」というセリフがありましたが、今度見たものにはそういう字幕はなかったです。
イタリア語もだいぶわかり、味わいも深くなります。結構単純なセリフも多くところどころわかりました。
アンソニー・クインとかリチャード・ベースハートがよくイタリア語を喋ていると感心しましたが、どこかで
アンソニー・クインは吹き替えと書かれていました。

ジェルソミーナのメロディからよみがえるジェルソミーナの思い出。そしてその死を知り、その深い愛情に
浜辺で泣き崩れるシーンにはこみあげてくるものがありますが、学生の頃の方が今よりもっと感動したと
思います。

ジュリエッタ・マシーナの演技が本当にすごかったです。キュートでもあり、表情豊かで見ているだけで
楽しくなります。ザンパノも彼なりにジェルソミーナを愛していたのだろうと今見るとわかりました。

 

その後イタリア映画はパゾリーニとかヴィスコンティ、オルミ監督とか大学以降は見ました。
だいぶたってからが監督はイギリス人でしたが、マッシモ・トロイージが命を懸けて作った名作
「イル・ポスティーノ」が生まれました。

 

コメント (4)
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古い映画を見てみる ・・・ watching very old movies

2021-10-06 02:00:10 | movie

TVで古い映画をやっていたのを録画したりして緊急事態宣言下にいくつか見ました。
年代を見たら、まだ私が生まれる前の映画でした。両親の時代の映画ですね。
父はイングリット・バーグマンがお気に入りでした。

 

西部の男 The Westerner 1940年

監督 ウィリアム・ワイラー
撮影 グレッグ・トーランド
制作 サミュエル・ゴールドウィン
音楽 ディミトリー・ティオムキン

 
キャスト
ゲーリー・クーパー
ウォルター・ブレナン
 
 
 
西部劇という映画のジャンルはほとんど見たことがありませんでした。
今年になって「縛り首の木」という映画でゲーリー・クーパーの渋い演技を見て
大人の男を感じました。その前にはピーター・フォンダの「さすらいのカウ・ボーイ」
を見ましたが、いわゆる派手な西部劇のイメージとはかけ離れたものでした。
 
西部の男では相変わらずの無法地帯が描かれていましたが、そこに住む男の純情さとか
がかわいかったです。ウォルター・ブレナンがよかったです。
定着して農業を生きる糧にする人たちと牛追いのカウボーイたちとの対立や、定着したいと
思う女性と旅に生きたい男性とかいろいろな対比がありました。
素敵な食器を大切にして生活をいとおしむ開拓者に、そうそう「大草原の小さな家」の時代
背景に近いのよねと思いました。西部劇とあのドラマとのあまりにもある距離感。
この映画には「大草原の小さな家」も思い出させるものがありました。
 
黒白映画の迫力もすごかったです。カメラがいいと思ったら、「市民ケーン」などでも撮影で有名な
人だったのですね。それでやっと大作「市民ケーン」もやっと見ることにしました。
 
 
 
市民ケーン Citizen Kane 1941年
監督 オーソン・ウェルズ
脚本 ハーマン・J・マンキウィッツ オーソン・ウェルズ
撮影 グレック・トーランド
キャスト  オーソン・ウェルズ ジョセフ・コットン
 

当時25歳の若き天才オーソン・ウェルズが製作・監督・脚本・主演を務め、映画史に残る傑作として語り継がれる人間ドラマ。実在の新聞王
ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルに、ある大富豪の波乱に満ちた一生を、革新的な映像技法とストーリー構成で描き出す。
大富豪の新聞王ケーンが「バラのつぼみ」という謎の言葉を残してこの世を去った。その言葉の意味を探るよう調査を命じられたニュース映画
の編集者は、ケーンの元妻や事業のパートナーら、生前の彼を知る人々に取材を重ねていく。やがて浮かび上がったのは、すべてを手に入れた男の
孤独な生涯だった。1942年・第14回アカデミー賞で脚本賞を受賞。

いつでもアメリカ映画のベスト1に選出されている映画です。アラビアのロレンス(米・英合作)もベスト5に入っていたかと記憶しています。
すべてを手に入れながら、人を愛することができなかったという大きなテーマの映画でした。謎めいた展開も飽きさせず、すごくおもしろかったです。
それであのカメラワークがすごかった。斬新で今でも古さを感じさせない映画でした。ベスト1で居続けるのも不思議な感じもしますが、映画史上に
残る映画であることは間違いがありません。

 

 
荒野の決闘 My Darling Clementine 1947年
監督ジョン・フォード
音楽 シリル・モックリッジ  アルフレッド・ニューマン
キャスト ヘンリーフォンダ(ワイアット・アープ)
     ヴィクター・マチュア(ドク・ホリディ) 
 
   
 
ヘンリー・フォンダがまた素朴な人柄を演じていました。
西部劇を見ると銃社会のアメリカの歴史を感じてしまいます。
 
いとしのクレメンタインという歌は有名ですが、そのものずばりの原題のタイトルです。
西部劇の古典とう感じなのでしょうか・・ 子供の頃TVで「真昼の決闘 ハイ・ヌーン」を見たと思うのですが
ほとんど覚えていません。ゲーリー・クーパーとグレース・ケリーの共演でした。

  
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