いま私の頭の中をくるくる回っているのはボビンレースのボビンとフェスティバルが近いカルメンの「ハバネラ」と昨日
裏高尾から高尾まで久しぶりに自然の中を花探しして歩き回った自然。たくさんの鳥の鳴き声も聞きました。
今日は夏にやっと見たフェリーニの「道」をアップすることにしました。ずいぶん昔に録画していたのに、大事にしすぎて、
いつか消えていて図書館から借りてきて見ました。最初に見たのはたぶん小学生の頃、親に連れられて映画館に見に行き、
その後TVで放映されたのを2回くらい見たと思います。初めて見たときはあの薄く雪が残る大地に置き去りにしてザンパノが
去っていくシーンや、最後に波打ち際で泣き崩れるザンパノの姿が強い印象となり残りました。
古い映画で最も印象に残った映画がこの「道」とフランス映画史上ベストともいわれる「天井桟敷の人々」です。
道 La Strada 1954年
制作 カルロ・ポンティ
ディノ・デ・ラウレンティス
監督・原案・脚色フェデリコ・フェリーニ
脚色 トゥッリオ・ピネッリ
音楽 ニーノ・ロータ
キャスト
ザンパーノ:アンソニー・クイン
ジェルソミーナ:ジュリエッタ・マシーナ
キ印:リチャード・ベースハート
この映画は写真を探して調べていても、涙が出そうになる映画です。ジュリエッタ・マシーナの純粋さのあふれる演技と
あのメロディーあっての映画。
フェリーニのネオ・リアリズモ最後の映画とか。特にフェリーニのファンではなかったので、ほかにはTVでジュリエッタ・マシーナ
を主役にした「魂のジュリエッタ」しか見た記憶がありません。サーカスのような映画は見なかったです。
中学生か高校生の頃TVで放映していたのを見たのが2回目。
小学生の頃より、少し成長して、この映画の中での有名な石ころのセリフに心動かされました。道端のどんなに
小さな石ころでも何かの役に立っているとキ印がジェルソミーナを力づけるセリフです。最近の字幕にはキ印という
表現がなくなっていて放送禁止用語だったのですね。キ印はイタリア語でイル マット と呼ばれていました。
天使か神かきちがいか・・解釈はいろいろ。何か愛を感じるシーンでした。
中学か高校の頃見た時の字幕にジェルソミーナの「私がザンパノと一緒にいるのは食べさせてもらっているからでは
ないのよ」というセリフがありましたが、今度見たものにはそういう字幕はなかったです。
イタリア語もだいぶわかり、味わいも深くなります。結構単純なセリフも多くところどころわかりました。
アンソニー・クインとかリチャード・ベースハートがよくイタリア語を喋ていると感心しましたが、どこかで
アンソニー・クインは吹き替えと書かれていました。
ジェルソミーナのメロディからよみがえるジェルソミーナの思い出。そしてその死を知り、その深い愛情に
浜辺で泣き崩れるシーンにはこみあげてくるものがありますが、学生の頃の方が今よりもっと感動したと
思います。
ジュリエッタ・マシーナの演技が本当にすごかったです。キュートでもあり、表情豊かで見ているだけで
楽しくなります。ザンパノも彼なりにジェルソミーナを愛していたのだろうと今見るとわかりました。
その後イタリア映画はパゾリーニとかヴィスコンティ、オルミ監督とか大学以降は見ました。
だいぶたってからが監督はイギリス人でしたが、マッシモ・トロイージが命を懸けて作った名作
「イル・ポスティーノ」が生まれました。