碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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年の始めの”覚悟”

2009年01月06日 | 日々雑感
大学の授業も始まった。徐々に日常が戻ってくる。

昨日、通勤で乗っている田園都市線で人身事故があり、電車が止まった。この沿線でも、昨年あたりから「人身事故でストップ」が明らかに増えている。

詳しいことは報道されないが、単純な落下事故とか接触事故とかではなく、自殺というケースが多いようだ。

この国では、年間3万人以上が自殺で亡くなっている。平成10年からの連続記録だ。

交通事故が、ずっと年間1万人といわれていたが、今は5千人台。これと比べても3万人という数はすごい。

最も多いのが60代で、次が50代である。原因の半分を占めるのが健康問題だ。今年は、これに経済の問題が加わるのかもしれない。

50年、60年という時間を生きてきて、最後に自死にたどり着く。何ともやりきれない。

理不尽。不条理。

五木寛之さんは、人生は理不尽なもの、不条理なものであり、それを受け入れること、受け入れる術(すべ)を身につけることが大事だ、という。そうかもしれない。

「受け入れる術」は、人によって違うはずだ。ならば、どこから手をつけるのか。

どうやら、まず「覚悟すること」からのようだ。

うーん、覚悟。

覚悟した上で、今の自分に何ができるか、これから何が可能かを考えること。

昨年より、もっと理不尽、もっと不条理な年になりそうな予感の中、そんなことを思う。

林住期
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