碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ポプラ社の「少年探偵」シリーズと「RED」

2009年01月20日 | 本・新聞・雑誌・活字
久しぶりで<丸の内>へ出かけた。スーツにネクタイというビジネスマンを大量に見た(当たり前か)。ふだん大学のキャンパスで暮らしているせいか、ちょっと新鮮な光景だった。

丸の内には、映画『チェ 28歳の革命』を観た際にもこのブログに書いた、4K(ハイビジョンの4倍の精細度)と呼ばれるデジタルシネマのカメラ「RED」を見学に行ったのだ。

いやあ、確かに、ほとんどフィルムと変わらない画質。早く導入できるといいなあ、と思った。

丸の内への往復の電車内では、江戸川乱歩の『怪人二十面相―少年探偵』(ポプラ文庫)を読み続けた。昭和39年に出た単行本の復刻文庫版だ。

乱歩が子ども向けに書いた、この少年探偵シリーズは、私がいた小学校の図書館にもずらっと並んでいて、一冊ずつ楽しんで読んだ記憶が甦る。

「そのころ、東京中の町という町、家という家では、ふたり以上の人が顔をあわせさえすれば、まるでお天気のあいさつでもするように、怪人「二十面相」のうわさをしていました。」・・・この書き出しだけで、もうわくわくしてくる。

乱歩が描く、当時の麻布や上野の風景も(見てはいないのに)懐かしい。

映画『K-20 怪人二十面相・伝』は面白かったが、少年探偵団の物語を、原作に忠実に映画化したら、どんなだろう。もちろん、「RED」を使ったデジタルシネマでの制作だ。

怪人二十面相―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)
江戸川 乱歩
ポプラ社

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