碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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<言葉の総本山>がやって来た

2009年01月23日 | 本・新聞・雑誌・活字
大きな箱が届いた。受け取ると、その重さで両腕がぐっと下がる。「おお、これこそ言葉の重みというものではないか」と一人感激する私。

注文しておいた、待望の『広辞苑 第六版』である。しかも「総革装」なのだ。

2008年の1月に出版された『広辞苑 第六版』。すぐにも入手したかったが、じっと待った。

そして1年後の今月20日、ついに、この「総革装」バージョンが発売されたのである。

これまで手元にあった「広辞苑」は、91年11月に出た第四版。「い」の項目を眺めると、「インターナショナル」の次が「インターハイ」となっている。

第六版をひも解けば、「インターナショナル」と「インターハイ」の間に鎮座する言葉は、当然のことながら「インターネット」である。もちろん「ネット」も「ブロードバンド」も出ている。

途中に第五版があったとはいえ、ワタクシ的には、18年の歳月が、今、埋められたのだ。メデタイ!

革の表紙を近くで見ていると、ほのかに漂うのは懐かしいランドセルの香りだ。全体を包む、濃い目の茶色が奥ゆかしくも美しい。「天」には金が塗られている。紅白が組み合わされた「花ぎれ」も鮮やかである。

クルマに関しては、古(いにしえ)より、「いつかはクラウン」という名コピーがある。それでいえば、「いつかは総革装広辞苑」だ。

クルマのステアリングは革巻きじゃなくても構わないが(早口言葉か)、「広辞苑」ほどの<言葉の総本山>ともなれば、革装にさせていただいてもいいのではないか。

10年近く、いや10年以上もお世話になる「師」であり、一緒に戦う「友」であり、日常的に支えてくれる「妻」でもある。総革装もゼイタクじゃないと思うのだ。

昨日、「ボルサリーノ・トラベラー」4万5千円也を躊躇した私も、「総革装 広辞苑 第六版」1万5千円也には、何のためらいもなかった。って、胸を張るほどのことじゃないけど。

とにかく、頼りになる強い味方がやって来た。この辞書を見ているだけで、わけもなく「がんばるぞ!」と元気が出る。さあ、仕事の原稿に取り掛かろう。

総革装 広辞苑 第六版

岩波書店

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