『日刊ゲンダイ』連載中の番組時評「TV 見るべきものは!!」。
今週は、始まったばかりのドラマ「蜜の味」を取り上げました。
今が旬!大人の色香で勝負をかける
菅野美穂は期待できる
菅野美穂は期待できる
NHKで「セカンドバージン」を当てた脚本家の大石静。禁断シリーズ最新作は叔父(ARATA)と姪(榮倉奈々)の道ならぬ恋を描くフジテレビ「蜜の味」である。
このドラマの注目は医師であるARATAの恋人、菅野美穂だ。自身も優秀な病理医でプライドも高い。突然現れた親戚の田舎娘に男を奪われるわけにはいかないのだ。先週の第1回で早くも榮倉の恋心に気づき、警戒感を強めている。怖い。
今回のドラマで驚いたのは菅野が“格下”の榮倉との「W主演」を引き受けたことだ。しかも番手(その作品における役者の序列)としては榮倉がトップ。菅野にはかなりの屈辱のはずだ。
しかし菅野はメゲない。その気持ちを演技にぶつけてきている。ARATAとのベッドシーンも映画「セカンドバージン」での鈴木京香の“脱ぎ惜しみ”と比べたら立派なものだ。
20歳の時に写真集「NUDITY」で見せたスレンダーな肢体に女性らしさが加わって、今が旬。榮倉とのひと回り近い年齢差や12㌢の身長差などに負けない大人の色香で勝負している。
いや、菅野が対抗すべきは日テレ「家政婦のミタ」の松嶋菜々子かもしれない。あの微弱な表現力を「能面」芝居でカバーして初回視聴率19.5%。
菅野にしてみれば自軍の11.6%は不本意だ。その悔しさもバネにますます加速していってほしい。
(日刊ゲンダイ 2011.10.17)