碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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NHK『響け!笑顔のスウィング~気仙沼 小中学生ジャズバンド~』に微笑む

2011年10月12日 | テレビ・ラジオ・メディア

11日夜、NHK『響け!笑顔のスウィング~気仙沼 小中学生ジャズバンド~』を見た。

内容は・・・・


ジャズスウィングで被災者、そして心が折れかけた大人たちに勇気を与えている小中学生がいる。「スウィング・ドルフィンズ」。全国有数の港町、宮城県気仙沼市の小中学生ら26人のジャズバンドだ。

ドルフィンズの子供たちは東日本大震災に伴う大津波で、家を流されたり、友達を亡くしたり、親が職を失ったほか、練習場や楽器もすべて流された。しかし、1ヵ月後、ドルフィンズの被災を知ったニューオリンズのジャズ団体などから楽器が子供たち一人一人に届けられた。

子供たちはそのときの感動と音楽を奏でられる喜びを、がれきの山だった気仙沼の人たちにジャズ演奏を通じて伝えた。子供たちの真摯な姿と笑顔のスウィングに大人たちが励まされ、再び復興への勇気を与えた。

いまドルフィンズは自分たちが演奏するジャズでみんなを勇気づけたいと、日々、仙台で行われる夏の大舞台、定禅寺ジャズフェスティバルを目指し練習を続ける。長引く避難所生活、先行きの見えない不安の中、家族に蔓延する重苦しい空気。そんな中、子供たちはひたむきに現実に向き合っている。

「被災者に、そして何よりも家族に笑顔と勇気を与えられるスウィングを」。避難所や仮設住宅で練習もままならない中、街にかつての活気が戻ってくることを信じて練習を重ねる彼女たちの一夏を追う。



・・・・見たのは偶然だったのだが、「ああ、いいものを見させてもらった」と思った。

そこに登場する人たちの体温が感じられるドキュメンタリー。

自分がJAZZが好きなこともあるが、あらためて音楽のチカラ、そして子どもたちのチカラに、思わず微笑んでしまった。

で、番組のエンドロールを眺めていて、驚いた。

「取材」(民放で言うディレクター)の部分に出てきた名前が、慶応SFC時代の教え子だったのだ。

学生時代の演習で作っていた映像が、すでにアマチュアの域を超えるレベルだったのだが、卒業後はNHKに入り、カメラマンとして活躍している。

放送後、現在は広島放送局にいる本人に電話を入れて、聞いてみた。

カメラマンである彼が、震災報道の応援で東北に行っていた際、このジャズバンドのことを知ったのだそうだ。

その時から、あたためておいた企画を提案し、それが通って、今回の放送となった。

ディレクターとして制作したのは、そういうわけだったのだ。

久しぶりで聞く声は元気で、「いい仕事してるな」と言うと、少し照れて笑っていた。


この番組、今週末に再放送される予定。

10月16日(日) 午後5:00~5:26(NHK総合)

ぜひ、おススメしたい1本です。