札幌の道新ホールで舞台「わらいのまち」を観た。
昼間お会いした宅間孝行さんの作・演出で、もちろん出演もしている。
お話は・・・・
何の名所も特産品もない寂れた田舎町の寂れた温泉旅館「まつばら」に国会議員の大関代議士が急遽、泊まりに来る事になった。明日から始まる町の未来を賭けた町おこしのイベントを視察する事になったのだった。
町おこしの実行委員長を務める「まつばら」の三男であり主人の信雄をはじめ、次男で板長の将雄、仲居のくにゑ、真知子も大喜び。
それもそのはず、町 おこしのイベントを視察して、しっかりしたモノだと認められれば、町おこしの資金が県の予算に組み込まれるよう大関先生が口を聞いてくれるというのだ。
明るい未来を見出せるとあって、大関先生に好印象を与えようと張り切る「まつばら」の面々だったが、そこに不吉な知らせが舞い込む。長男の富雄が町に帰って来てるらしいというのだ。
「疫病神」とあだ名される富雄はヤクザもの。しかも権力が大嫌い。とにかく大関先生と富雄が鉢合わせしないようにと大慌ての「まつばら」の面々。しかし行き違い、勘違いの交錯で話はとんでもない方向へ・・・。
・・・・東宝セレソンDXの芝居を観るのは初めてだ。
出演は宅間さんの他に、片桐仁、岡田義徳、田畑智子、柴田理恵など。
いやあ、予想を大幅に超えて(笑)面白かったです。
脚本がよく練られていて、小さな「行き違い・勘違い」の連続のせいで、混乱がどんどん加速していくプロセスが笑える。
このタイプの芝居は、ややもすれば“やり過ぎ”で困ったことになったりするが、程よい抑制が効いていて、嫌な笑わせ方になっていない。
何より、笑いの底に、日本のあちこちの地方で見られる沈滞化・空洞化をめぐる社会批評がある。
しかも、批評自体が目的ではなく、「今こそ笑って元気に!」というスタンスなのがいい。
そういうわけで、“読後感”も上々でした。
残りの札幌公演は、今日(1日)と明日(2日)。いずれも13時と18時の2回。
その後は名古屋、大阪、広島、福岡とツアーが続くそうです。