碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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『週刊新潮』で、山本太郎の「あさイチ」出演についてコメント

2011年10月14日 | メディアでのコメント・論評

発売中の『週刊新潮』最新号が、俳優・山本太郎さんのNHK「あさイチ」出演に関する記事を掲載。

ちょうど番組を見ていたこともあり、記事の中でコメントしています。


反原発「山本太郎」が座るNHKの「特等席」


ちょっと痩せていたから見間違いかと思ったが、やはり山本太郎(36)だった。NHKの情報番組「あさイチ」で笑顔を振りまいていたのは10月6日のこと。

山本といえば、3月11日の震災以後、Twitterで反原発発言を繰り返し、その発言が元でドラマの仕事を降板することになったと呟き、ついには所属事務所を辞める羽目になった男だ。

フリーランスでは芸能活動も厳しかろう、と思いきや、大分の別府温泉を訪ねた山本は、スタジオからも元気いっぱい振舞った。曰く――。

地獄めぐりに因んで、視聴者への投稿のお題を決めようとすると、「いいんですか?私が見た地獄とかじゃなくて」

別府での案内人が県庁職員と聞くや、「滅茶苦茶、羨ましいですね、その安定した職業」

別府名物“地獄蒸し”を食べた感想を聞かれて、「いいことばっかりですよ。もう明日、地球が終わってもいいかと思いましたよ」

おいおい、反原発はどこ行った――。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)も番組を見ていたひとりだ。

「地熱発電にまで言及するのかと思った。作り手が山本の行動を心情的に応援しているようにも感じました」

「あさイチ」といえば、セックスレスから乳房の垂れ、閉経、果ては有働アナの脇汗まで、朝っぱらから取り上げるのがNHKらしくないことで人気の番組である。

「井上勝弘チーフプロデューサーは朝日新聞の連載で“従来のテレビが取り扱うことをためらってきたテーマに、あえて正面から立ち向かった”と書いていますが、タブーへの挑戦を出演者にも広げたんですかね」


NHKに真意を尋ねると、「山本さんには公共放送の趣旨を理解していただいた上で、ご出演いただいております」(NHK広報局)

念入りなんだろうな、公共放送の趣旨説明とやら。

(週刊新潮 2011.10.20号)


・・・・確かに、画面で見た瞬間は、ちょっとびっくりしましたが、そのレポーターぶりは、“屈託”など感じさせない(笑)、明るく気さくな雰囲気で、なかなか良かったです。