昨日の日記に「自家製の柚子胡椒は、本場物より薄塩だから旨い」と書いた。
本場物を幾つか買ったが、どれも塩気が強すぎて、料理には使えるものの、直接口に入れることは出来なかった。
自家製の柚子胡椒は、柚子をたっぷり使ったこともあって、そのまま食べても美味しい。
冷蔵庫のなかった時代の調理品は、一般に保存性が最優先され、塩辛いものである。
冷蔵庫が登場しても、その味に慣れて育った人の食習慣は、すぐには変わらないから、塩辛いままで続いているのだと思う。
それを、常温保存で済むというメリットが、後押ししているのかもしれない。
似たような事例は幾つもある。
燻製というのは本来が保存のための調理法なので、本場の伝統的レシピ通りに作ると、やたらに塩辛い。
それに、防腐のために食材の芯まで燻煙を浸み込ませるから、単調な味に仕上がる。
冷蔵することを前提にして、もっと薄塩にしたり、食材の芯は生のまま残したほうが美味しかったりする。
などなどを考えてみれば、土地の習慣に染まっていない他所者が「旨い」と感じる塩加減こそが、未来を先取りしているのかもしれない。
伝統の塩加減に拘らず、もっと薄塩にすれば、柚子胡椒が全国に広がりやすいと思うのだが、どうだろう。