染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
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店主、再び清方を見てみる。

2022年04月27日 | 店主の一日
清方展に再び足を運びました。
東京での会期も後半になって新聞、雑誌等でも記事の特集が組まれています。
それらの記事のいずれにも書かれていることでもあるのですが、「美人画の大家」ではあるのですが、
やはり「美人画」というよりは「風俗画」なのでしょう。
挿し絵師の元で学んだという経歴もあるのかもしれません。
築地明石町の優美さも魅力ですが、「明治風俗十二ヶ月」のような庶民の生活が表れるよう絵が実によいです。
生活への眼差しが感じられる絵が多いですね。
確かに清方の絵は人だけではなく、周囲の生活道具や景色などが描かれているものがたくさんあります。人と生活が一体となっているのでしょう。
三年前に築地明石町が公開された際に学芸員の先生が話しておられましたが、清方の絵を研究するとその絵が明治のいつ頃、どの場所を描いたのか特定できるほど、細かく描かれているのだそうです。

清方は昭和53年まで生きます。
展示内でラジオに収録された音声が紹介されていました。
戦争が大嫌いだと言っていました。戦時中にはもっと勇ましい絵を描く風潮もあったようですが、清方は反抗するように美人画や風俗画ばかり描いていたそうです。庶民の生活と戦争は全くの対極にあります。
どうも今のこんなきな臭い時代でもあるので、庶民の生活を愛した清方翁の「戦争ほどひどいものはない」という言葉が沁みます。


画像は図録の表紙

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