2014年08月27日
一般社団法人北洋開発協会(原口聖二)
[3万2千トン級大型加工母船フセヴォロド・シビルツェフがサンマ漁業に参加]
2014年8月25日、ロシア漁業庁で開催された、今漁期のサンマ操業にかかる会議において、3万2千トン級大型加工母船”Всеволод Сибирцев” ПЗ-2303(フセヴォロド・シビルツェフ PZ-2303)が当該漁業に参加していると報告された。
2011年に外国人の所有となった”Всеволод Сибирцев”は、昨年2013年、ロシア農業銀行の支援を受け沿海地方企業”Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)によって買収され、ロシア漁業に復活した経緯にある。
”Всеволод Сибирцев”は、缶詰製品等を洋上で生産するため、1989年にフィンランドで建造された。
同様のタイプの大型加工母船は、1988年から1989年にかけ、同国造船所でこのほかに”Содружество”(ソドルジェストヴァ)ПЗ-2301、Петр Житников”(ピョトル・ジチニコフ) ПЗ-2302の2隻が建造された。
”Всеволод Сибирцев”については、2011年12月以降、ギリシャ登記の会社によって、リベリア船籍、船名を*”HAINAN BAOSHA 001”として管理運航され、後に中国漁業へ投入された。
中国漁業参加に関する経緯等の情報はない。
”HAINAN BAOSHA 001”は、衛星情報によると、2013年8月15日、シンガポール沖合に位置していた。
同衛星情報によると、その後データ確認をした2014年6月7日には、”Всеволод Сибирцев”として中国大連長興島、更に同年7月11日には、ロシア・ナホトカに入港、同19日、同港を出港していた。
なお、次は”HAINAN BAOSHA 001”時代の関連過去情報となっている。
2012年05月07日 台湾発
[中国は南シナ海に大型加工母船”HAINAN BAOSHA 001”を配備する]
中国は、近隣諸国との間で領土紛争が激化する中、南シナ海の漁船団へ大型加工母船”HAINAN BAOSHA 001”を投入して、支援体制を強化する。
”HAINAN BAOSHA 001”は3万2,000トンクラス、世界に存在する大型加工母船4隻の内の一つで、14の製品加工ラインが設備され、水産物を1日あたり2,100トンまで処理する能力をもち、600名の乗組員を収容できる。
これまで、中国の漁船団は、漁獲物処理設備が不足していて、漁場に長く滞在することができなかったが、 ”HAINAN BAOSHA 001”の投入で、最大9ヶ月間、漁船団は漁場にとどまり、操業を継続することが可能になる。