ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

流し網漁業禁止 利するのは米国業界

2015-07-17 11:19:32 | 日記
2015年07月17日
モスクワ発
[流し網漁業禁止 利するのは米国業界]
来年2016年1月からロシア排他的経済水域における流し網漁業が禁止となった。
この件についてロシア一般紙(WEB)は、背景に環境保護団体を通じた米国業界のプロパガンダとロビー活動があったとサハリン州業界が指摘、批判している旨を報じた。
また、ベニザケ製品市場はプレミアムであり、米国業界の行動はロシアと日本の流し網漁業を排除して空白をつくり、それを自らの製品で埋めるためのものだったとしている。
あらためてサハリン州業界は、WWFとMSC、そして定置網業界の利益追求の連動性を指摘している。

(関連過去情報)

2015年06月12日
一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[禁止法案のイニシアティヴをとった上院議員はカムチャツカ定置網漁業のオーナーである]
ロシア業界関係者の情報によると、流し網漁業禁止法案のイニシアティヴをとった上院議員ボリス・ネフゾロフ(Борис Невзоров)は、カムチャツカ地方の定置網漁業会社の実質的オーナーである。
漁業会社“ウスチカムチャットルイバ”(Устькамчатрыба)の55%の株式をボリス・ネフゾロフ、10%をタチアナ・ネフゾロフ、そして5%をアンナ・ネフゾロフとアレクサンドル・ネフゾロフが所有している。
また、別の漁業会社“ヴォストーク・ルイバ”(Восток-рыба)の10%の株式をボリス・ネフゾロフ、同様に、10%をタチアナ・ネフゾロフ、5%をアンナ・ネフゾロフとアレクサンドル・ネフゾロフが所有している。
2013年の“ウスチカムチャットルイバ”の当期売上は10億ルーブル、利益が4億1,200万ルーブル、“ヴォストーク・ルイバ”は、売上1億50万ルーブルで、利益450万ルーブルとなっている。
太平洋サケマス流し網漁業漁船が多く所属し、定置網によるベニザケの商業生産がないサハリン州は流し網禁止に反対し、他方、サケマス漁業においてベニザケを対象とした定置網が主力のカムチャツカ地方は過去から流し網禁止を強硬に主張していた。
更に、カムチャツカ地方の主張の背景に、これを扇動する環境保護団体WWFの存在がある。
同団体とMSC(エコラベル)は表裏一体で、米国とカムチャツカの沿岸漁業によるベニザケのMSC(エコラベル)製品のシェアを拡大し、その位置づけを強化して、クライアントを増やすためには、市場から評価の高い、流し網漁業による沖獲りのベニザケ製品は“邪魔者”となる。
このことから、米国とカムチャツカの沿岸漁業者、そして同団体は共通の利益に向かい行動していると言える。
コメント
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